ブドウ栽培大国ルーマニアのおすすめワイン10選!産地や歴史、ぶどう品種を紹介
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ルーマニアはワイン生産が盛んで、ブドウ栽培においては6000年以上の歴史を持っています。日本ではあまり知られていませんが、ヨーロッパではワインの主要生産国として有名です。
今回は、ルーマニアのおすすめワインを厳選してお届けします。
この記事を読むと、ルーマニアワインの特徴や歴史、代表的な産地とぶどう品種が分かります。
ルーマニアワインについて知りたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ルーマニアワインの特徴
ルーマニアは、東ヨーロッパのバルカン半島東部に位置する国です。人口は約2,000万人、国土は日本の本州とほぼ同じで、国の中央部にはカルパティア(カルパチア)山脈を望みます。
首都のブカレストをはじめ、世界遺産のあるブラショフ、白ワインの有名なヤシ、温泉のあるトランシルバニアなど、観光国としても栄えています。
そんなルーマニアですが、実はヨーロッパの中でもワイン生産量が多い国です。
年間生産量は約5億リットルで、東ヨーロッパではトップの生産量を誇っています。
ルーマニアは年間を通じ乾燥した大陸性気候ですが、国土の半分を山脈で囲まれているため、適度な湿度に保たれています。その結果、水はけの良い土壌となり、ブドウ栽培も盛んになりました。
中でも北東部のモルダヴィアでは、ワイン造りが盛んでルーマニアワイン生産量の1/3を占めています。
ルーマニアワインは、貴腐ワインなどの甘口のワインが主流です。固有品種も100種以上あり、リーズナブルなものから高級ワインまで幅広く生産されています。
またルーマニアワインの9割が国内消費です。そのため世界市場には流通せず、日本への輸入も進んでいません。
ルーマニアのおすすめワイン
次に、おすすめのルーマニアワインを紹介します。
今回紹介するルーマニアワインはこちらです。
■ ギルボイ リヴィア フェテアスカ・ネアグラ (赤)
■ クロ・ビュザオ ピノ・ノワール (赤)
■ ラ アンブラ ピノ・ノワール (赤)
■ ドメニーレ トハニ ワインチョコレート・スイート (赤)
■ アイコニックエステート クロノス ピノ・ノワール (赤)
■ ブドゥレアスカ プレミアム タマイオアサ・ロマネアスカ (白)
■ ハレウッド フラワーデルナ フェテアスカ・アルバ (白)
■ ジドヴェイ トラディショナル・フェテアスカ・レガ―ラ (白)
■ ヴィル・ブドゥレアスカ ヴァイン・イン・フレイム シャルドネ (白)
■ ドウシシャ ビバヴィーノ (オレンジワイン)
ギルボイ リヴィア フェテアスカ・ネアグラ
リヴィア フェテアスカネアグラは、ルーマニアの固有品種フェテアスカ・ネアグラを使用した赤ワイン。2005年から家族で経営するギルボイワイナリーが製造しています。
黒いワインとも呼ばれ、濃いガーネット色が特徴。プルーンのような香りと、ブルーベリーのように濃い果実味が味わえます。
5~10年ほどの瓶内熟成も可能なので、熟成を楽しみたい方やコレクターにおすすめ。ペアリングは、すき焼きのような甘くて濃厚な料理と相性がいいです。
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クロ・ビュザオ ピノ・ノワール ルーマニア
クロ・ビュザオ ピノ・ノワール ルーマニアは、南フランスのピエール・デグルット氏が手掛けるピノ・ノワールの赤ワインです。
デグルット氏は「ブルゴーニュ以外でピノが上手に育つのはここしかない」といい、フランスから苗木を持ち込んで栽培しています。
しっかりとした果実味と滑らかなタンニンは、どんな料理にも合わせやすいでしょう。またお値段も1,000円前後なので、初心者の方におすすめです。
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ラ・アンブラ ピノ・ノワール
ルーマニア国内に6つのワイナリーを持つ「ハレウッド」のカジュアルワインブランドです。ハレウッドのワインは、ルーマニア王室に献上されたことがあります。
ピノ・ノワールという国際品種を使用し、赤い果実の香りと果汁感が特徴。余韻も長く、バランスの取れた味わいが楽しめます。
肉料理との相性が良く、ピクニックやBBQ、夏に飲みたいおすすめのワインです。
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ドメニーレ トハニ ワインチョコレート・スイート
保護原産地呼称にも登録されるデアルマーレ地区で造られたチョコレートテイストのワイン。シラーとメルローの2種類を使用し、まるでチョコレートを食べているかのような味わいに仕上げられています。
実はカカオや香料を一切使用しておらず、ぶどうの風味だけで再現しているそうです。
ブルーベリー、チェリーの香りに加え、口溶けの良いチョコレート感が特徴。時々来るスパイシーなニュアンスがワインの果実味を引き立ててくれます。
デザート酒としておすすめで、甘党な方にいいでしょう。
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クロノス ピノ・ノワール
先ほど紹介したハレウッド社のもう1つのワインブランドです。ワイン愛好家マガジンでは89点、 インターナショナル ワイン チャレンジ 2013では佳作として選ばれています。
ルーマニアの銘醸地デアルマレ産の良質なピノ・ノワールを使用し、フレンチオークで14か月熟成。味わいは渋くなく、繊細なタンニンが楽しめます。
また乾燥ハーブを連想させる香りが特徴で、ラム肉やエスニック料理と合わせると非常にマッチしますよ。
お値段は5,000前後。ガッツリとした料理と合わせたい方におすすめです。
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ブドゥレアスカ プレミアム タマイオアサ・ロマネアスカ
2004年に設立したヴィル・ブドゥレアスカが手掛ける白ワインです。国際コンクールで数々の受賞歴があり、世界中から注目を集めるワイナリーです。
カモミールやジャスミンのような香り、グレープフルーツのようなフレッシュさが感じられる銘柄です。
疲れた時、一息つきたい時にカモミールの香りが癒してくれます。
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ハレウッド フラワーデルナ フェテアスカアルバ
続けて紹介したいのがハレウッドの白ワイン、フラワーデルナです。ルーマニアの土着白ぶどう品種フェテアスカ・アルバを使用しています。
ポテンシャルが高く、フローラルな香りとオーク由来の落ち着いた香りが入り混じった豊かなアロマが特徴。口に含むとまずフレッシュな酸味が来ますが、次第に上品な味わいへと変化していきます。
前菜など、軽めのお食事と好相性。立食パーティーや軽く飲みたい時におすすめなワインです。
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ジドヴェイ トラディショナル・フェテアスカ・レガ―ラ
ドラキュラの出生地として知られるトランシルヴァニア地方の白ワインです。国際的ワインコンクールでも多数の受賞歴があるジドヴェイが製造しています。
中身は、ルーマニアの土着白ぶどう品種フェテアスカ・レガーラを100%使用。高貴な香り、キリっとした酸味に仕上げられています。口当たりも良く、軽快にいただけるデイリーワインです。
和食との相性も良いので、おつまみに悩んだらこのワインがいいでしょう。
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ヴィル・ブドゥレアスカ ヴァイン・イン・フレイム シャルドネ
ヴァイン・イン・フレイムは、2003年に設立したヴィル・ブドゥレアスカ社の白ワインです。歴史は浅いですが、丁寧と高品質なワイン造りが評判を呼んでいます。
ワインは、シャルドネの単一品種とルーマニア産オークを使用。ボリューム感のある力強さが特徴で、南国フルーツを連想させるトロピカルな味わいが楽しめます。
魚介料理やチーズを使った料理と相性抜群で、宅飲みにおすすめなワインです。
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ドウシシャ ビバヴィーノ オレンジワイン
イギリスで大ヒットしたルーマニア産のオレンジワインです。オレンジワインとは、白ぶどうの皮と種を取り除かずに造られたワインのこと。
白ワインに比べ、皮や種がそのまま使われているため、より旨味とコクが増しています。味わいに丸みがあり、引き締まったタンニンが心地良いです。
また動物性由来の成分を一切使用していないので、ヴィーガンの方も安心して飲めます。いつもの白ワインや赤ワインに飽きたら、オレンジワインを選んでみては?
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ルーマニアワインの歴史
ルーマニアワインの歴史は、6000年以上前まで遡ります。
紀元前5500年頃からブドウ栽培が盛んで、ヨーロッパ随一の栽培国として栄えていました。そのため、隣国から侵入されることも多く、幾度となく紛争が起こります。
そして、紀元前106年にはローマ帝国に侵略されます。ローマ帝国では、ワイン造りの技術が発展していたため、ルーマニアのブドウでもワイン生産が始まりました。
19世紀に入ると、世界中のブドウを襲った害虫「フィロキセラ」が流行します。多くのブドウ畑が壊滅的な被害を受けますが、生産者たちは協力し乗り越えました。
その後、1889年に開催されたパリ博覧会では、ルーマニアワインが高い評価を受けヨーロッパ中にその名が知られます。
しかし第二次世界大戦でソヴィエトに破れ、社会主義国家へと変わります。その結果、ヨーロッパ諸国との交流はなくなり、ルーマニアワインは50年以上もの間、世界から姿を消しました。
そこからルーマニアワイン生産は国営となり、質よりも量を重視したワイン造りをするようになります。必然的に品質も落ち、国民からの評判は下がる一方でした。
しかし1989年に民主主義国家へと変わります。2000年になると8割のブドウ畑が生産者に返還され、品質も向上していきました。
その後は、EU加盟をきっかけにルーマニアワインが再び注目され、世界各国で高い評価を得ています。
ルーマニアワインの主要産地
ルーマニアワインの主要産地は、モルドバ、トランシルヴァニア、ドブロジャです。
産地それぞれの特徴を見ていきましょう。
モルドバ
ルーマニア北西部に位置するモルドバ。フランスのブルゴーニュと同緯度にあり、高品質なワインを飲みたい方におすすめな産地です。
モルドバは大陸性気候で気温の変化が大きく、ブドウ栽培に適した地域。土壌の70%以上が「チェルノーゼム」と呼ばれる黒土で、石灰岩層を豊富に含んでいます。
そのため、フルーティーでミネラル感のあるワインに仕上がります。和食との相性も良く、日本人に合わせやすいワインといえるでしょう。
ワインの価格帯は、2,000円~7,000円台が多いです。
トランシルヴァニア
ルーマニア中部から北西部に位置するトランシルヴァニアは、白ワイン好きな方におすすめな産地です。
トランシルヴァニアは高原地帯のため、爽やかな酸味のあるブドウに仕上がります。特にタルナーヴェの白ワインが有名で、ヨーロッパでも高い評価を受けています。
ワインの価格は、2,000円前後が多いです。
ドブロジャ
ルーマニアの東部に位置するドブロジャは、甘口ワインが多く、甘党な方におすすめな産地。ワインの価格帯は、1,000円~3,000円前後です。
ドブロジャはローマ帝国に侵略された名残もあり、ローマ帝国の建造物が多く残っています。
ルーマニアで最も温暖な地域とされ、ブドウ栽培も盛んです。赤ワインと白ワイン両方が造られていますが、特に貴腐ワインなどの甘口ワインが有名です。
ルーマニアの代表的なブドウ品種
ルーマニアの代表的なブドウ品種は、フェテアスカ・ネアグラとフェテアスカ・レガーラ、フェテアスカ・アルバの3つです。
これらはルーマニアの土着品種で、他の生産地のワインとは違う味わいに仕上がります。どんな特徴があるのか見ていきましょう。
フェテアスカ・ネアグラ
フェテアスカ・ネアグラは、ルーマニアで古くから栽培される固有品種です。「黒い乙女」を意味し、濃厚な果実味と力強いタンニンが特徴の黒ブドウ品種。
フェテアスカ・ネアグラから造られる赤ワインは、ブラックベリーやブルーベリーのような香り、カカオやスパイスのようなニュアンスが楽しめます。
ピノ・ノワールとは味わいの傾向が似ており、ピノ・ノワール好きな方におすすめです。
フェテアスカ・レガーラ
フェテアスカ・レガーラは、ルーマニアで最も栽培されている白ブドウ品種です。「王家の乙女」を意味し、エレガントで気品溢れる品種として知られています。
白ブドウ品種にしてはタンニンが強く、辛口ワインに仕上がります。グレープフルーツのような香りとホワイトペッパーのニュアンスがあり、どんな料理にも合わせやすいのが特徴です。
フランス・アルザス地方で栽培されるミュスカの味わいに近いでしょう。
フェテアスカ・アルバ
フェテアスカ・アルバは、ルーマニアで根強い人気のある白ブドウ品種です。「白い乙女」を意味し、爽やかでフレッシュ感のある白ワインに仕上がります。
主に辛口のワインになり、シトラスや白い花のようなフレッシュさ、桃のような甘い香りが特徴です。
シャルドネ品種が好きな方はきっと気に入るでしょう。
ルーマニアワインの選び方
最後にルーマニアワインの選び方を紹介します。
ルーマニアでは長年ワイン造りを行ってきたノウハウを活かし、土着品種や国際品種の栽培が盛んです。様々なスタイルのワインが造られており、ワイン選びに困っている方も多いでしょう。
そこで今回は、生産者・生産者・ぶどう品種に注目した3つの選び方を紹介します。
生産者で選ぶ
ワインは生産者によって醸造スタイルが大きく異なります。
一般的に大手生産者は、先進的技術を取り入れた大量生産が得意です。そのため、高品質なワインをリーズナブルな価格で楽しむことができます。
一方で小規模生産は、家族経営や創業歴史が浅いワイナリーが多いです。しかしその分、手の込んだ個性的ワイン造りが可能で、唯一無二な味わいを楽しむことができます。
このように、コスパ重視の方は大手生産者。個性派ワインを楽しみたい方は、小規模生産者がいいでしょう。
ちなみにルーマニアの有名な生産者は、サハテニ、ジドヴェイ、クラメレ・ハレウッド、ブドゥレアスカ、メタモルフォシス、ヴィンアルテ、セガルチェアがあります。参考にしてみてください。
生産地で選ぶ
ルーマニアワインの主要産地は、モルドバ、トランシルヴァニア、ドブロジャの3つです。
特別な日や贈り物を考えてる方は、高品質なワインが多く造られているモルドバ地方。白ワインを飲みたい方は、トランシルヴァニア地方。
そして、甘口テイストなワインをお探しの方はドブロジャを選んでみてください。
ぶどう品種で選ぶ
ルーマニアを代表するぶどう品種は、土着品種のほか、国際品種の栽培も盛んです。
土着品種は、フェテアスカ・ネアグラやフェテアスカ・レガーラ、フェテアスカ・アルバなどがあります。
国際品種は、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、リースリング、シャルドネなどです。
ルーマニアならではの個性を楽しみたい方は、土着品種。ほかの国の銘柄を色々飲み比べたい方は、国際品種を選んでみてください。
まとめ
今回はルーマニアワインの特徴や歴史、おすすめ銘柄を紹介してきました。
日本ではあまり知られていないルーマニアワインですが、長い歴史があることが分かりました。
ぜひ本記事を参考に、ルーマニアワインを試してみてくださいね。
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