蒸留所の守り猫「ウイスキー・キャット」とは?その仕事や人気を解説
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ウイスキー造りの歴史の中で忘れてはいけないのが「猫」。
蒸留所の猫はウイスキーキャットやブリュワリーキャットとも呼ばれ、スコットランドの蒸溜所で活躍をしてきました。
今回は、なぜウイスキー・キャットがいるのか、どんな活躍をしてきたのかを解説します。
ウイスキーの味を守ってきたウイスキー・キャットを知りたい人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
また、以下記事にて、日本のウイスキーに興味がある人に日本各地のウイスキー蒸溜所をご紹介しています。
日本のウイスキーについて知りたい人は、本記事とあわせてぜひ参考にしてください。
参考記事:【日本国内】ウイスキー蒸溜所まとめ!
目次
なぜウイスキー・キャットがいるの?
スコットランドのウイスキー蒸溜所には、ウイスキー・キャットと呼ばれる猫がいます。
その理由は、大麦などの原料をネズミから守るためです。
ウイスキーの原料である大麦はネズミの大好物。そのため、蒸溜所ではネズミの駆除が大きな課題となっていました。
しかし、駆除剤などの薬品を使うと、ウイスキーの味に影響が出てしまいます。そこで、ネズミを捕まえるのが得意な猫が投入されたというわけです。
蒸溜所では、駆除専用の猫が飼われたり、通りすがりの猫を迎え入れたりして、ネズミの駆除を進めていきました。
中には、複数の蒸溜所に在籍して活躍する猫や、マスコットになり広報的な活動をしていた猫もいたそうです。
そのため、多くの蒸溜所では猫を「害獣駆除員」としてスタッフ名簿に登録。蒸溜所のスタッフと同等の扱いを受け、大切に育てられていたようです。
最近は、管理体制の向上や食品衛生の観点から、蒸溜所内でネズミ捕りをすることは無くなりました。現在蒸溜所で飼われている猫は、マスコットとしての活動が主となっています。
スコットランドの蒸溜所を巡る際は、ウイスキー・キャットに注目しても面白いかもしれませんね。
世界で有名なウイスキー・キャット
スコットランドを含め、世界中にはウイスキーの味を守ってきた猫たちがいます。
その中でも、特に活躍したウイスキーキャットを紹介します。
ギネスにも載っている「タウザー」
タウザーは、ネズミの「捕獲数」でギネス記録を持つウイスキー・キャットです。
スコットランド最古の蒸留所グレンタレットに所属しており、1963年から1987年までの24年間に2万8899匹ものネズミを捕獲した記録が残っています。毎日3~4匹のネズミを捕えていた計算ですね。
ちなみに、タウザーが捕獲したネズミは、蒸溜所の職員がカウントしていました。とはいえ途中から計測したことや、食べてしまったネズミをカウントすると、さらに大きな数字になるといわれています。
その人気は世界にも広まり、タウザーの誕生日になると、世界各国からプレゼントが届いていたそうです。
女王エリザベス2世と同じ誕生日であることから、1986年に蒸留所職員がタウザー名義でバースデーカードを送ったところ「161歳の誕生日おめでとう(人間換算の年齢)」というバースデーメッセージが返ってきたともいわれています。
そして、タウザーが亡くなった時は、ニュース番組や新聞で大々的に報道されたのです。現在は、タウザーを称えるために蒸溜所内に銅像が建てられています。蒸溜所を訪れる際は、ぜひ見学をしてみてください。
ちなみに、タウザーの娘のアンバーは「生涯で一度もネズミを捕まえなかった猫」としても有名です。
その後は、3代目ディランとブルック、4代目バレリー、5代目ピート、6代目グレン&タレットと繋いで、蒸溜所のウイスキーキャットとして、人々から愛され続けています。
案内猫の「バーレー」
バーレーは、ハイランドパーク蒸溜所で活躍したウイスキーキャットです。
人懐っこく、世話焼きな猫として知られ、訪問者が来ると先導して案内してくれていたそうです。
時には、ネズミの駆除にも参加し、駆除係や案内係、広告係を兼任するマルチな猫として人気を集めていました。
残念ながら、2006年頃に14歳で交通事故で亡くなっています。
おもてなし猫として有名な「エリヤ」
エリヤは、アメリカのケンタッキー州にあるウッドフォードリザーブ蒸溜所で活躍した猫です。
人懐っこい猫で、蒸溜所を訪れる人たちの癒しとして人気を集めていました。当時は、多くの人から餌をもらっていたため、ネズミを捕まえることはほとんどなかったそうです。
害獣駆除よりは広報的な存在として、重宝されていたウイスキー・キャットといえるでしょう。
また2014年に亡くなった時は、ネット上で「#RememberingElijah」とハッシュタグがつけられ、SNS上で大きな話題となりました。
エンピリカル・ブルワリーの4匹の猫
アメリカのシカゴにあるビール工場、エンピリカル・ブルワリーでは4匹の猫が活躍していいます。
ブルワリーでも、ネズミによって原料の麦芽が食い荒らされる被害に悩んでいました。
そこで2014年に、保護猫の企業とタッグを組み「Cat at Work」を始動。4匹の猫が採用されました。
猫たちは、工場内を自由に走り回り、ネズミを次々と駆除していきます。夜は、経営者の自宅でゆっくりし、悠々自適に過ごしていました。
そして、数日後には大量のネズミの山を築き上げたのです。
彼らの活躍は映画「ゴーストバスターズ」のようだと称賛され、それに因んでヴェンクマン、レイ、イゴン、ゴーサと名付けられました。
現在もブルワリーで活躍しており、蒸溜所のスタッフにも認められています。
ウイスキーキャットを題材にした本
C.W.ニコル著「ザ・ウイスキー・キャット」。
「ザ・ウイスキー・キャット」は、ニコル氏がスコットランドの蒸溜所を巡った体験を元に書かれた物語です。
ニコル氏は、ニッカウヰスキーのCMに出演したり、余市ウイスキー博物館の名誉館長に就任したりと、ウイスキーを語る上で欠かせない存在です。
物語は、老いたウイスキーキャット「ヌース」が若い頃の活躍を回想していくというもの。蒸溜所や登場人物は架空のものですが、エピソードは全て実話だそうです。
ウイスキーを片手に、じっくりと読んでみたい物語ですね。
まとめ
今回はウイスキーキャットについて解説しました。
蒸溜所には欠かせない存在として活躍してきたウイスキーキャット。
猫たちの活躍もあって、美味しいウイスキーが飲めていたんですね。
ぜひ猫たちに敬意を表し、ウイスキーを楽しんでみてください。
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