鋭き銘酒「山形正宗」を醸す水戸部酒造とは?特徴やこだわり、おすすめの日本酒などを紹介!
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この記事では、山形県で「山形正宗」を醸す水戸部酒造について紹介していきます。
山形県といえば「十四代」や「くどき上手」、「栄光冨士」など有名な酒蔵の多い県です。
そんな山形県の酒蔵の中から今回は「水戸部酒造」をピックアップ。
水戸部酒造は、2015年に100年以上使われた酒蔵を全面改装したり、2022年6月にオンラインショップをオープンしたりと、進化の止まらない酒蔵です。
どんな酒蔵なのか、どんなお酒があるのか紹介していきます。
また、以下記事にて、日本三大酒どころに興味がある人におすすめの日本酒や選び方をご紹介しています。
自分に合う日本酒を選びたい人は、本記事とあわせてぜひ参考にしてください。
参考記事:どうしても伝えたい!日本三大酒どころの魅力・特徴!
目次
水戸部酒造とは?
水戸部酒造は、山形県天童市にある酒蔵です。主に「山形正宗」「稲造」の2つのブランドの製造・販売をされています。切れ味鋭い日本酒が特徴的です。
創業は1898年と120年を超える歴史があり、現代では珍しい伝統的な木槽しぼりでの酒造り行っています。
一方で、伝統に固執することなく、生ハムに合う日本酒を造るために、ワインの醸造方法を日本酒に取り入れるなど革新的な取り組みにも積極的です。
直近でも2019年に農業生産法人を設立し、新ブランド「稲造」を立ち上げたり、2022年の6月にオンラインショップをオープンしたりと挑戦はとどまることを知りません。
水戸部酒造のこだわり
水戸部酒造のこだわりや特徴について紹介していきます。
全国でも珍しい硬水仕込み
水戸部酒造では、仕込水に奥羽山系の伏流水を使用しています。ミネラルを多く含む天然水で、硬度は驚きの120㎎/l。
日本の水は0~100㎎/lの軟水が一般的なので、120㎎/lの中硬水での仕込みはかなり珍しいです。
そんな硬水での仕込みにより「銘刀の切れ味」と表現される切れ味の鋭い後味を特徴とする日本酒が出来上がります。
また水戸部酒造は、造られるお酒の全てがアルコールを添加しない純米造りです。お米の味わいが活きるのはもちろんですが、より水の良さも楽しめるでしょう。
手間ひまを惜しまない伝統的な製法
水戸部酒造では「槽(ふね)」と呼ばれる道具を使った手動の槽しぼりを行っています。(槽は上槽というモロミを搾って濾過する、酒と酒粕に分けるときに使われる船型の道具のこと。)
現代の槽しぼりでは、佐野式やヤブタ式といった機械を使った圧搾が一般的です。機械で搾ると、かかる時間が半分以上削減できたり、空気との接触時間も減らせたり、人的工数も減らせたりなどメリットが多いことから、ほとんどの蔵元で採用されています。
しかし、水戸部酒造ではあえてモロミの入った袋をひとつひとつ並べて袋の重みだけで搾っています。
もちろん機械で行うよりも手間ひまはかかりますが、その分より自然的で雑味の少ない日本酒を得ることが出来るのです。
最高の場所が生み出す高品質
高品質な日本酒を造るためには、造る場所も重要です。
水戸部酒造では2015年に100年以上もの間、お酒を仕込み続けた蔵を全面改装しています。
内装には強いアルカリ性をもち、蔵にとって理想的とされる「漆喰」を使用。日本の建築文化を後世に伝えるという思いも込めつつ最高の環境を整えています。
また、日本酒にとって非常に重要な麹を育てる「麹室」にもこだわりがあり、天然の木材をふんだんに使用しています。
木材は呼吸するので、適度な湿度コントロールができ、麹にとって快適な環境が造れると水戸部酒造では考えているそうです。
そのため、全国でも有数の木材産地である山形県の木材のなかから、「金山杉」の無節材を採用し、麹室の材木としています。
こだわり抜いた酒米
日本酒は、お米のお酒です。品質の良いお米を使用することは肝となります。
水戸部酒造では、2004年から山田錦の自家栽培を始め、2018年には農業生産法人「株式会社水戸部稲造」を設立し、日本酒に合う酒米とはなにかを追求し栽培を続けています。
お米の栽培は、リュット・レゾネ(減農薬栽培)を採用するなど、品質を重視したものです。
しかし、使用するお米については全て自社栽培、全て山形県産というわけではなく、あえて「ほぼドメーヌ」を目指しているそう。
ドメーヌとは、一般的にワイン業界で使われており、自ら原料となるぶどうを栽培する醸造家を指す言葉です。
あえて100%ドメーヌ化しないのは、最高の原料米を調達するためで、酒造りにインスピレーションを与えてくれる素晴らしい農家の原料も積極的に使っていきたいという思いからとのことです。
シンプルに「美味しいお酒を造る」ために、テロワールなどの個性は大切にしつつ、良いと思うものは取り入れていくという方針があるようです。
水戸部酒造のラインアップ
水戸部酒造のおすすめのお酒などをピックアップして紹介していきます。
山形正宗 純米吟醸 雄町
まずはこれから!現杜氏が最初に創り上げた雄町
「山形正宗 純米吟醸 雄町」は、岡山県赤磐産の雄町を使用した純米吟醸酒です。爽やかなフルーツの香りと、杜氏の心を掴んだ「雄町」の旨味を楽しめます。
山形正宗らしい硬水のキレも感じられるため、初めに「山形正宗」を飲むなら「雄町」からがおすすめです。
冬には、にごり酒バージョンとなる「直汲み」も販売されるため、時期によっては飲み比べても良いかもしれません。
商品情報
項目 | 内容 |
規格 | 純米吟醸 |
精米歩合 | 55% |
アルコール度数 | 16% |
使用米 | 岡山県赤磐産 雄町 100% |
おすすめの飲み方 | 花冷え |
おすすめのペアリング | 焼き鳥や出汁巻き卵、生ハムなど |
山形正宗 稲造
自社産米使用の新しいスタンダード
「山形正宗 稲造」は、自社田で栽培する出羽燦々を使用した純米吟醸酒です。
ヴィンテージごとに違いがありますが、上品で大人びたフルーツ香と、山形正宗らしいミネラル感が楽しめます。
収穫年によって、味わいに違いが生まれるのでその違いも楽しんでほしい逸品です。
商品情報
項目 | 内容 |
規格 | 純米吟醸 |
精米歩合 | 60% |
アルコール度数 | 15% |
使用米 | 自社栽培米 出羽燦々 100% |
おすすめの飲み方 | 花冷え、ぬる燗 |
おすすめのペアリング | 焼き物、生ハムなど |
山形正宗 日本の伝統色シリーズ
フラッグシップとなる三色の日本酒
水戸部酒造のフラッグシップとも言える「日本の伝統色シリーズ」。
「紅」「藍」「麹塵」の3種類があり、いずれも自社栽培米やフラッグシップに相応しいお米を使用して造られています。
山形正宗の最高峰とも言うべき3種類で水戸部酒造のフィロソフィーが詰まった作品です。
項目 | 内容 |
商品名 | 山形正宗 紅 |
規格 | 純米大吟醸 |
精米歩合 | 40% |
アルコール度数 | 16% |
使用米 | 自社栽培米 出羽燦々 |
おすすめの飲み方 | 涼冷え |
おすすめのペアリング | 焼き物、生ハムなど |
項目 | 内容 |
商品名 | 山形正宗 麹塵 |
規格 | 純米大吟醸 |
精米歩合 | 40% |
アルコール度数 | 16% |
使用米 | 兵庫県秋津産 山田錦 |
おすすめの飲み方 | 花冷え |
おすすめのペアリング | 焼き物、生ハムなど |
項目 | 内容 |
商品名 | 山形正宗 藍 |
規格 | 純米大吟醸 |
精米歩合 | 40% |
アルコール度数 | 16% |
使用米 | 岡山県赤磐産 雄町 |
おすすめの飲み方 | 花冷え、ぬる燗 |
おすすめのペアリング | 焼き物、生ハムなど |
山形正宗 まろら
ワインの醸造方法を採用した生ハム合う日本酒
「山形正宗 まろら」は、水戸部酒造が輸入販売しているタナラ社の生ハムとマリアージュすることをコンセプトに造られた遊び心のある日本酒です。
最大の特徴は、ワイン醸造で活用される「マロラティック醗酵」というモロミの酸度をまろやかにする醗酵方法を採用している点。醗酵によって冷旨酸が温旨酸に変わっているので、ぬる燗にしても最高です。
そして、おつまみにはなんといっても生ハムが最高の相性をみせてくれます。フルートグラスなどのワイングラスで少しおしゃれに楽しんでみてはいかがでしょうか?
商品情報
項目 | 内容 |
規格 | 純米吟醸 |
精米歩合 | 60% |
アルコール度数 | 15% |
使用米 | 山形県産 出羽燦々 |
おすすめの飲み方 | 雪冷え、ぬる燗 |
おすすめのペアリング | 生ハム など |
山形正宗 梅酒
全国NO.1にも輝いた純米酒ベースの梅酒
「山形正宗 梅酒」は、2015年の梅酒全国制覇利き酒大会で優勝した評価の高い梅酒です。
オーソドックスな梅酒ですが、豊潤な梅の香りと、山形正宗らしい綺麗なシュッとした後味を楽しめるのが特徴です。
ストレートで飲むのもおすすめですが、甘みがしっかりとあるので、食事に合わせる場合は、ロックやソーダ割り、お湯割りで飲むのをおすすめします。
ラインアップでは、「とろとろ梅酒」や「熟成梅酒」などもあるので気になった方はチェックしてみてください。
商品情報
項目 | 内容 |
規格 | リキュール |
アルコール度数 | 10% |
原材料 | 日本酒(自社産)、梅(群馬県産)、砂糖 |
おすすめの飲み方 | 花冷え |
おすすめのペアリング | 焼き鳥や出汁巻き卵、生ハムなど |
まとめ
今回は山形県の酒蔵から「水戸部酒造」をご紹介しました。
リニューアルや、自社栽培などこだわりと挑戦が光る水戸部酒造。
代表ブランドである「山形正宗」は雑味なく、キレが鋭いのでどんな食事にもピッタリで、どんなシーンにもおすすめできます。
晩酌選びの参考になれば嬉しいです。
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