要塞に眠るボーヌのスペシャルワイン「ドメーヌ・シャンソン」とは?【セミナーレポート】
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レビューの記事ではありますが、レポートです。
と、言いますのも当社が運営するお酒の販売専門店SAKE People でのお取り扱いから、ドメーヌ・シャンソンのエクスポートディレクターや正規インポーターの株式会社アルカンにおこしいただき、シャンソンセミナーを開催していただきました!
実際にドメーヌの方のお話を聞きながらというのは贅沢な話ですが、そうでなくても一つの生産者について知ることは推しワインをつくる1歩です。
この記事では、セミナーのレポートを交えながらドメーヌ・シャンソンについて紹介していきます!
非常にコスパの良いワインなので、次に飲む1本に迷っている方などはぜひご覧ください。
目次
ドメーヌ・シャンソンとは?
まずは、ドメーヌ・シャンソンについて簡単に紹介します。
ドメーヌ・シャンソンは、1750年に畑を持つベリー家と資本を持つシャンソン家から創業された造り手です。フランスボーヌでも1,2を争う歴史をもっており、ボーヌのスペシャリストとも謳われます。
所有する約43haの自社畑のうち95%ほどがプルミエクリュに該当する格付けとなっているなどぶどうの品質が高いのが特徴の1つです。
また醸造では、全房発酵と低温の長期マセラシオン(浸漬)が特徴的。これらの方法は手間もコストもかかり、さらにはリスクも高まる方法です。しかし、ドメーヌ・シャンソンでは、より複雑な味や香りを表現するために、この難しい方法に切り替えてワインを造っています。
ドメーヌの伝統と変化と未来
さて、そんなドメーヌ・シャンソンからお越しいただいたのが、エクスポート・ディレクターを務めるヴァンサン・ワレ氏です。
ここからは、ドメーヌ・シャンソンについて、伝統と変化と未来の3つに着目してより詳しくみていきましょう。
【伝統】変わらない要塞<バスティオン>での熟成
270年を超える長い歴史をもつドメーヌ・シャンソンで、伝統的に今も使われ続けているのが、ワインの熟成に使われる要塞です。バスティオンと呼ばれています。
バスティオンは、ルイ11世の時代、14世紀ごろに設計・建築された、壁が8mほどある歴史的な防衛塔です。
戦火における防衛が目的なので、壁が8m〜11mと非常に分厚く設計されており、光もほとんど通しません。
このような環境は、一定の湿度と温度を保つことができるため、ワインの熟成にとって理想的な環境です。
現在では、4階建てになっており、階層ごとに赤や白、ヴィンテージワインが管理され、シャンソンのワインには欠かすことのできない要塞となっています。
【変化】有機栽培への転換
ドメーヌ・シャンソンは、1999年にシャンパンで有名なボランジェの傘下に入りました。
このことをキッカケにさらにシャンソンのワインは進化していきます。
長い歴史のなかで、細分化された畑が再びドメーヌのもとに1つになり、有機栽培や全房発行に転換され、2004年にはビオワインのロゴを使用できるようにもなりました。
結果として、ワインはより複雑なアロマと上品な味わいを表現することとなり、世界的にも評価されるようになっています。
【未来】温暖化に対する考え
地球温暖化はワイン造りにも影響を与えています。
最も不良の原因となるのは霜や雹ですが、むしろ暖かさは良い影響を与えていることも多いとヴァンサン・ワレ氏。
また、環境への配慮としてカーボンニュートラルにも取り組んでいるのだとか。
1年かけて自社の炭素排出量を調査したので、今後は削減を目指していきたいとのことでした。
一方でリサイクル工程でも炭素の排出がおこるので、エコロジーの広い視点で環境問題にも貢献していきたいとセミナーでは仰っていました。
こういったお話を聞けるのはセミナーの嬉しいところですね。
テイスティングした5つのワイン
最後に今回のセミナーでテイスティングさせていただいた5つのワインについて紹介していきます。
当社のオンラインショップでも一部販売していますので、ワイン選びの参考にしてみてください。
ヴィレ クレッセ
ぶどう品種 | シャルドネ |
土壌 | 粘土 石灰質 |
立地 | ブルゴーニュ南部マコネ中心に位置するヴィレ村とクレッセ村 |
価格 | 2,613円(SAKE People) |
相性の良い料理 | 食前酒、牡蠣、魚介類 |
頂いたのは2020ヴィンテージ。暖かい冬のあと3月には夏のような気温となった2020ヴィンテージは、早くからぶどうが発芽し、力強い成長を遂げたそうです。
実際に飲んでみると、ほどよくふくよかな骨格でしっかりした印象がありましたが、フルーティーさと、爽やかで心地の良い酸味がきれいなバランスを保っているように感じました。
ほんのり塩っぽいミネラルも感じたので、生牡蠣などの魚介類や生野菜と合わせるのがおすすめです。
ボーヌ プルミエ クリュ クロ デ ムーシュ ブラン
ぶどう品種 | シャルドネ |
土壌 | 小石状の粘土石灰質、珪土 |
立地 | クロ・デ・ムーシュ。ボーヌのぶどう畑南端、ポマールに続く丘に位置 |
価格 | 11,880円(SAKE People) |
相性の良い料理 | 食前酒、牡蠣、魚介類 |
頂いたのは2017ヴィンテージ。ぶどうは、雨が多く、熱波もあった5月などから素晴らしい出来栄えとなり、オーク樽で10〜14ヵ月、新樽を控えめに熟成を行ったそうです。
実際に飲んでみると、しっかりとした樽感とシャルドネらしいサッパリ感が感じられました。同じシャルドネですが、ヴィレクレッセとは全く別の印象です。
花と黄色の柑橘、バニラのニュアンスが感じられたので、魚料理やコンテチーズなどとあわせて楽しむと良さそうだと思います。
ペルナン ヴェルジュレス プルミエ クリュ レ ヴェルジュレス
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
土壌 | 粘土石灰質 |
立地 | 一級畑「レ・ヴェルジュレス」の一画 |
価格 | 6,000円(SAKE People) |
相性の良い料理 | 白身のグリルした肉料理、シェーブルチーズなど |
頂いたのは2017ヴィンテージ。クロ デ ムーシュと同じヴィンテージですね。ワインの品評会では「ベンチマークすべきワイン」という評価を受けている注目のワインです。
実際に飲んでみると、透き通るようなルビーから、明るい赤色の果実のニュアンスとバニラ感が楽しめました。
特に重すぎない樽感が個人的には好みで、長い夜に時間をかけてゆっくり飲みたい感じでした。
料理では、グリルした肉料理や少しクセのあるチーズなどが相性が良さそうです。
サヴィニー ドミノード プルミエクリュ
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
土壌 | 粘土石灰質 |
立地 | 北東向きの中腹の斜面 |
価格 | SAKE Peopleでの取り扱い無し(5,000円前後) |
相性の良い料理 | 赤身肉・白身肉のロースト、ソースを伴う料理、チーズなど |
頂いたのは2018ヴィンテージ。熱波に見舞われ乾燥した気候環境だったのですが、粘土質の土壌が水分を補ったおかげで、ぶどうの成熟は素晴らしいものになった年と言われています。
実際に飲んでみると、熟した赤いベリーのような果実、バニラ感にほんのりスパイシーな香りが非常に複雑です。
また飲み慣れていない方にも楽しみやすいかと思います。赤ワインらしいボディとなめらかさが飲みやすいです。
赤ワインには、肉料理!という方におすすめだと感じました。
ボーヌ プルミエ クリュ グレーヴ
ぶどう品種 | ピノ・ノワール |
土壌 | 砂利と粘土 |
立地 | ボーヌに面したモン・バドワの中腹 |
価格 | 6,336円(SAKE People) |
相性の良い料理 | 赤身肉のグリル、チーズ類など |
頂いたのは2018ヴィンテージ。サヴィニーと同じヴィンテージですね。
実際に飲んでみると、少し熟した赤色の果実とバニラのニュアンスに、綺麗なタンニンが複雑に絡み合っていて上品さを感じました。
ペルナンよりも重めなので、赤身の肉料理との相性が良さそうです。
まとめ
今回はドメーヌ・シャンソンについて紹介しました。
ワインの造り手のこだわりや、想いを直接聞くことができる機会は素晴らしいですね。商品や飲みものとして見ているワインにストーリーが合わさりワクワクします。
また試飲したあと値段を見に行って感じたのですが、シャンソンのワインはコスパも良いです。3,000円、4,000円台からでも美味しいワインに出会えます。
実際にヴァンサン・ワレ氏も価格とのバランスでがっかりするようなことはさせたくないとセミナーで仰っていましたので、ドメーヌの想いが詰まっているのでしょう。
なかなかひとつの会社にフランスからドメーヌの方が来て、セミナーをやっていただく機会は多くないです。この経験を元にシャンソンはもちろん他のワインもストーリーや背景と共にSAKE Maniaでも推していきたいですね。
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