アイランズウイスキー「アラン」とは？人気の理由とおすすめ銘柄紹介

スコッチウイスキーであり、アイランズと総称されるウイスキーに分類されるアラン。全体的にクセの少ない芳醇さと樽由来の甘い香りが特徴です。

また、アランにはさまざまな種類があり、種類ごとの香りと味わいの違いを楽しめます。ウイスキー初心者からウイスキー愛好家にまで人気の高い銘柄です。

ここでは、アランの特徴について詳しく解説。また、定価で買える機会も多い「アラン 10年」など代表的な種類から限定品までおすすめを紹介します。

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アランはどんなウイスキー？

アランはスコットランドのアラン島にあるロックランザ蒸留所で作られるスコッチウイスキー。単一蒸留所の原酒で作られるシングルモルトウイスキーです。

ロックランザ蒸留所は1995年に設立した蒸留所です。もともとはアイル・オブ・アラン蒸留所という名前で、2019年に2つ目の蒸留所であるラッグ蒸留所ができたことで、現在の名称に変更されました。このとき、アランシリーズのボトルデザインが一新されています。

アラン島は1800年代にウイスキー作りが盛んだったものの、重税により蒸留所の閉鎖が相次ぎ、1837年に当時島内最後の蒸留所が閉鎖されて以来、長らくウイスキー作りが行われていませんでした。それを復活させたのがアランなのです。
蒸留所設立にあたっては現在のクラウドファンディングにも似た方式で資金が集められ、アラン島のウイスキー作りを復活させたいと願う多くの人の支援が集まりました。

アランの特徴と人気の理由

アランは、多くの人に好まれやすい味や香りであり、定価で買える定番品があることからも、初心者にもおすすめのウイスキーです。同時に、ウイスキー好きの人気も高い銘柄でもあります。

アランの特徴として、クセの少ない芳醇さがあげられます。これはアランの定番品「アラン 10年」などによく表れています。一方でアランシリーズにはさまざまな種類があり、種類ごとの香りや味わいの違いも楽しめます。

そんなアランの特徴を生み出している要素のひとつが、昔ながらの単式蒸留器を使用していることです。単式蒸留器での蒸留は時間がかかりますが、風味や香りをしっかりと残すことができます。

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定価で買える定番から限定品まで！アランの種類とおすすめ

アランシリーズには、熟成の年数や方法によって、定番品から限定品までさまざまな種類があります。

まずは定価で購入できる定番品でアランの香りや味わいの特徴をつかみ、好みに応じてほかの種類も試してみると良いでしょう。

アラン 10年

アランを代表する定番品の10年熟成。定価で購入できる場所が多く、アランシリーズのはじめての1本におすすめ。

アランらしい特徴がよく表れており、清らかなフルーティーさとモルトの味わいを楽しめます。

ファーストフィルのバーボンバレルで熟成させた原酒を主体に、シェリーホグスヘッドで熟成させた原酒をバランス良くヴァッティングしています。

ファーストフィルははじめてウイスキーの熟成に使われた樽のこと。ホグスヘッドとは樽のサイズによる分類で、容量約220～250リットル。

アラン 17年

2023年にボトリングされた限定品。17年熟成の3種類の原酒、ファーストフィル シェリーホグスヘッド、セカンドフィル シェリーホグスヘッド、ファーストフィル バーボンバレルをほぼ均等にヴァッティング。

香りは、熟した青リンゴを軸にたわわに実ったフルーツのアロマが広がり、バタースコッチ、トーストしたオークが続きます。

味わいはリンゴや洋梨のジューシーさとともにスパイスが弾け、アーモンド、バニラクリームの味わいが続き、ほんのりシナモンも。

アラン 21年

年間数量限定リリースの品。セカンドフィルのシェリーホグスヘッドで熟成した原酒のみをブレンド。清らかな酒質が21年の熟成を経て、非常にエレガントでリッチなフレーバーをつくり上げています。

香りは芳醇で甘美。アランらしいシトラスや麦の甘いアロマ、シェリー樽らしいダークチョコレートにアクセントにジンジャー。

味わいはローストしたヘーゼルナッツ、マーマレードジャム、アプリコットが広がり、フィニッシュにはオークの味わいと共にダークフルーツやクローブの余韻が続きます。

アラン バレルリザーブ

ファーストフィルのバーボンバレルのみを使用して７~8年間熟成させた、アランのエントリーモデル。フルーティーさとウッディなスパイスが軽快なハーモニーを奏でます。

アランシリーズのなかでは定価で買えることが多く、手頃な値段であるため、「アラン 10年」と並んで初心者でも手に取りやすい品です。

香りはレモン、柑橘、青リンゴ。味はバニラ、シナモン、オーク。

アラン シェリーカスク

アランらしいフルーティーさとシェリー樽由来のフレーバーがバランス良く調和した品。香りは、チョコレート、レーズン、マンダリンオレンジ、スパイス。味わいは、完熟イチジク、チェリー、ヘーゼルナッツ、トーストしたオーク。

熟成を全期間ファーストフィルのシェリーホグスヘッドで行うことで、リッチなフレーバーに。また、カスクストレングスでボトリングすることでフルボディに仕上げています。

カスクストレングスとは、樽のままのアルコール度数で加水せずにボトリングすること。

アラン クォーターカスク

バーボンバレルで7年間熟成後、125リットルのクオーターカスク（小樽）で2年間追加熟成し、カスクストレングスでボトリング。小樽で追加熟成したことで、オークのスパイシーな味わいを一層楽しめます。

香りはレモンピール、綿あめ、ココアを思わせるもの。味わいはパイナップル、青リンゴを軸に、樽由来のバニラ、オーク、ペッパーなどスパイシーさも感じられます。

アイランズモルトならタリスカー10年もおすすめ！

スコッチウイスキーには、蒸留所がある地域によって6つの分類があります。アランは、スコットランド西岸、北岸にある島々で作られるウイスキーであるアイランズの銘柄のひとつです。

ウイスキー作りは、生産地の風土の影響を強く受けるものであり、アイランズは島ごとの特徴を楽しめます。アラン以外にもおすすめのアイランズウイスキーとして紹介したいのが、スカイ島で作られる「タリスカー」です。

タリスカーはスモーキーさが特徴のシングルモルトで、アランとはまた大きく違う香りや味わいを楽しめます。

タリスカーにもさまざまな種類がありますが、最初の1本としておすすめなのがタリスカーを代表する「タリスカー10年」です。

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生産地や蒸留所、熟成期間や熟成樽などによる香りや味わいのバリエーションの豊富さは、ウイスキーのおもしろさのひとつといえるでしょう。

また、飲み方によっても香りや味わいは変化します。たとえばアランは、まずはストレートやロック、トワイスアップなどでアランが持つそのままの香りや味わいを楽しむことをおすすめします。

あるいはタリスカーであれば、ハイボールにすることでスモーキーさをほどよく楽しめます。ぜひその香りや味わいの違いや変化を楽しんでみてください。

まとめ

この記事では、アイランズウイスキーの銘柄のひとつ、アランについて紹介しました。アラン10年などのアランの定番品はとくにクセが少なく、アランならではのフルーティーさや芳醇さを楽しめます。

新しいウイスキーを開拓したいけれどあまり個性が強すぎるものは好みに合うか不安というときに、ぜひ手に取ってみてほしいウイスキーです。

一方でアランシリーズにはさまざまな種類があり、より個性的な香りや味わいを楽しめるものもあります。初心者からウイスキー愛好家まで、幅広い人が楽しめる銘柄といえるでしょう。

アイランズウイスキーは島ごとの特徴があるのがおもしろいところです。アランはもちろん、好みに合う島と銘柄を見つけてみるのも楽しいのではないでしょうか。