シングルカスクの”カスク”って何?ウイスキー造りを左右する重要な役割とは?
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ウイスキーを選ぶとき、愛好家であれば「カスク」にも注目する方はいらっしゃるかと思います。一方、ビギナーからしてみれば「カスク」がどんな意味を持つのか全く見当もつかないのでは?
そんな疑問に答えるべく、今回はウイスキーのカスクにフォーカス!カスクの意味や種類について分かりやすくまとめていきます!
また、以下記事にて、初心者の方でも飲みやすいウイスキーの選び方をご紹介しています。
産地ごとの特徴を知ることで自分好みのウイスキーが見つかります。本記事とあわせてぜひ参考にしてください。
参考記事:【初心者向け】おすすめ銘柄を10個厳選!
目次
ウイスキーのカスクとは?
カスクとは、木樽のことを言います。
スペイン語やポルトガル語のcascoが語源で、ウイスキーのみならず、日本酒や焼酎、ブランデーなどの酒類を保存や熟成にも使われています。
たかが樽…と思われた方、カスクを甘く見てはいけません!
実はカスクがウイスキーに与える影響はたいへん大きく、ウイスキーの味わいや風味を決定づける重要な役割も果たしています。いわばカスクはウイスキーにとって「命」ともいうべき存在なのです。
ちなみにウイスキー造りが盛んな国々では、蒸留した原酒を木製の樽で熟成させることが義務付けられています。樽を使わない蒸留酒はウイスキーとして認められません。
そんな樽で造られるウイスキーですが、実は樽ごと購入することができます。別記事では夢のようなウイスキーの樽買いを紹介しており、興味がある方はこちらも参考にしてみてください。
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ウイスキーを樽買い?究極の大人の楽しみ方
カスクとバレルの違いとは
また同じく「樽」を意味するワードに「バレル」がありますが、両者には大きな違いがあります。
正確には、バレルとはバーボンなどのアメリカンウイスキーに使われる樽。一方で、カスクとはスコッチウイスキーに使われている樽です。
このように、使用するウイスキーの種類によっても樽の言い方が違ってきます。
ちなみにクォーターカスクという樽もありますが、そちらは通常よりも小さい4分の1サイズの樽を指します。
カスク(樽)の種類
一口にカスクと言っても、世界には100種類以上のカスクがあり、形状や大きさの違いなど特徴も様々です。
ディスティラーが目指す味わいに近づけるためには、カスクに使われる木材や、どのお酒の熟成に使われていたかなどに注意を払う必要が欠かせません。
ウイスキーを熟成させる樽は何度か使いまわされます。樽ができてから一番初めに入れるウイスキーを「ファーストフィル」と言い、素材からの影響を最も受けやすいのが特徴です。
また違うお酒の貯蔵や熟成に使われた、いわば「中古の樽」も使われます。同じヨーロピアンオーク樽でも、バーボンウイスキーの熟成に使われていたのかシェリー酒の熟成に使われていたのかで全く異なった味わいとなるのです。
ちなみに別記事では、樽の種類やその特徴を詳しく紹介していますので、参考にしてみてください。
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樽熟成が味わいのカギ!ウイスキー樽の種類と特徴は?
製法で異なるウイスキーのカスク4種類の特徴
ウイスキー業界では「カスク=樽出しウイスキー」という暗黙の了解があるそうです。
この方程式を踏まえたうえで、以下のカスクを4種類紹介します。それぞれの特徴を見ていきましょう!
・シングルカスク
・ダブルカスク
・トリプルカスク
・カスクストレングス
シングルカスク
シングルカスクとは、単一の樽のみを瓶詰めしたウイスキーのこと。アメリカンウイスキーでは「シングルバレル」とも呼ばれます。
他の樽で造られた原酒とブレンドされることがないため、ブレンデッドウイスキーよりも希少価値が高くなる傾向に。
また、他の樽原酒による味の調整がないため、樽ごとに違う個性をダイレクトに感じることができます。世界に一つしかない樽から造られるので、一期一会のウイスキーと言えるかもしれませんね。
単一蒸留所で造られた複数の原酒をブレンドする「シングルモルト」と混同してしまいそうになりますが、シングルカスクとは異なるジャンル。シングルカスクの方がレアなウイスキーとなります。
いくつかおすすめのシングルカスクをピックアップしましたので紹介します。
ジャックダニエル シングルバレル
こちらは、日本でも不動な人気を集めるジャックダニエルのシングルバレルです。
チャコール・メローイングという特別な製法で造られており、ジャックダニエルの最高級な銘柄といえます。
通常のジャックダニエルに比べて、口当たりが滑らかで、バニラやカラメルなどを連想させる濃密な甘みを楽しんでいただけるでしょう。
風味 | 滑らか、バニラやカラメルのような濃密な甘み |
アルコール度数 | 45% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥5,579(税込み) |
フォアローゼズ シングルバレル
口コミでも美味しいと評価が高い、フォアローゼズのシングルバレルです。
マスターディスティラーが全ての樽をテイスティングし、樽ごとの香りや味わいを区別しながら納得のいく原酒樽のみをボトリングしたものです。
フォアローゼズの特徴であるナツメグやシナモンのようなスパイス感、チェリーやバラの果実や花の香りが一段と増した、とてもなめらかで長い余韻を感じられるボトルです。
風味 | スパイス感と華やかな香りが長く続く余韻 |
アルコール度数 | 50% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥5,498(税込み) |
ブラントン シングルバレル
お洒落なボトルデザインが人気で、ウイスキー愛好家からも定評があるブラントンのシングルバレルです。
中身のウイスキーは、4年熟成させた原酒を使用した後、厳選した樽からさらに4〜6年寝かせてから瓶詰め。プレミアムバーボンとも言える味わいとなっています。
芳醇な香りと、口にまとわりつくような甘みが特徴です。
風味 | 芳醇な香り、口にまとわりつくような甘み |
アルコール度数 | 46.5% |
内容量 | 750ml |
料金 | ¥8,300(税込み) |
ダブルカスクとは
二つの樽で熟成させた原酒をかけ合わせて造られたウイスキーがダブルカスクとなります。異なる2種類のカスクで熟成させた原酒を用いることで、シングルカスクでは出せない香りや味の奥行き、複雑さを持たせることが可能に。
かの有名なスコッチメーカー・マッカランがお得意のカテゴリーです。マッカランではアメリカンオークとヨーロピアンオークの2種類のシェリー樽が使われています。
そんなマッカランを筆頭としたダブルカスクのウイスキー。おすすめをいくつかピックアップして紹介していきます。
タムナヴーリン ダブルカスク
蒸留所の創設50周年を記念して発売されたタムナヴーリンのダブルカスクです。樽は、アメリカンオーク樽とシェリー樽を使用しています。
口に含むと薫る華やかな香りと、ほろ苦い渋みがポイント。全体的にリッチな味わいで、あらゆる飲み方と相性が合います。
軽くて飲みやすいので、ダブルカスク初心者にもおすすめです。
風味 | 全体的リッチで、華やかな香りにほろ苦い渋みがアクセント |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥3,680(税込み) |
ザ・マッカラン ダブルカスク 12年
最高峰のウイスキーブランドとして世界に名を馳せるマッカランのダブルカスク。
12年以上熟成させたアメリカンオークシェリー樽とヨーロピアンオークシェリー樽をヴァッティングしており、バニラを思わせる芳香と心地良い甘みが感じられます。
値は張りますが、フルーティーな味わいが好きな方は気に入るでしょう。
風味 | バニラを思わせる芳香と心地良い甘みが特徴 |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥11,920(税込み) |
ザ・マッカラン ダブルカスク 15年
こちらは、15年熟成したマッカランの数量限定ダブルカスク。
中身は12年のダブルカスクと同じく、アメリカンオークシェリー樽とヨーロピアンオークシェリー樽から造られています。
熟年数が長い分お値段も高めですが、バランスの取れた味わいと、より深みのある余韻が楽しんでいただけるでしょう。
ワンランク上のダブルカスクをお探しの方におすすめです。
風味 | バランスの取れた味わいと、より深みのある余韻が特徴 |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥24,354 |
トリプルカスクとは
トリプルカスクは、言葉通り3つの樽からヴァッティングしたウイスキーのことを指します。
各原酒を組み合わせることで、それぞれの個性が複雑に重なり、バランスの良い味わいになるのです。
ちなみにこちらもマッカランの得意分野。マッカランでは、アメリカンオークとヨーロピアンオークに加えバーボン樽で熟成させた原酒もかけ合わせられています。
またマッカランと同じ故郷であるザ・バルヴェニーからもトリプルカスクが生産されています。
こちらもおすすめをいくつかピックアップしていきましょう。
ザ・マッカラン トリプルカスク 12年
マッカランから12年もののトリプルカスクが出ているのは、こちらの銘柄です。
アメリカンオーク、ヨーロピアンオークに加え、バーボン樽の3つの樽で熟成されています。
麦わらのような上品な色をまとい、バニラやシトラス、メロンのような風味や味わいを感じることができるでしょう。
風味 | 上品な色、バニラやシトラス、メロンのような風味や味わい |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥8,250 |
バルヴェニー 12年 トリプルカスク
熟成年数が異なる3つの樽から造られたバルヴェニーのトリプルカスク。
熟成年数は、12年、16年、25年。樽はファーストフィルバーボン、リフィルバーボン、シェリーの3つです。
色はマッカランよりも少し濃いめで、豊かさ、滑らかさ、ハニーを思わせる甘さがお楽しみいただけます。
風味 | 豊かさ、滑らかさ、ハニーを思わせる甘さ |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 1000ml |
料金 | ¥11,490 |
バルヴェニー 16年 トリプルカスク
バルヴェニーが販売するトリプルカスクの16年となる商品です。
12年に比べて、よりボリューム感のあるバニラとトフィー、穏やかなオークが感じられます。
12年と16年をそれぞれ飲み比べてみてもいいでしょう。
風味 | ボリューム感のあるバニラとトフィー、穏やかなオークが感じられる |
アルコール度数 | 40% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥15,900 |
カスクストレングスとは
ほとんどのウイスキーは、蒸留された後「加水」という作業を行うことでアルコール度数が40%前後に調整されるのですが、カスクストレングスはこの「加水」作業が行われずにボトリングされたものを言います。度数の調整が行われていないところを見れば、日本酒の「樽出し原酒」と似通ったジャンルとなります。
アルコール度数は50~60度とかなり高くなり、ストレングスの名の通り原酒が持つ強みを存分に生かしたウイスキーとなっています。
ウイスキーマニアでなければ手が出せないようなハードルが高いカテゴリーですが、ある程度ウイスキー慣れしてきた方でもチャレンジできる一本です。
おすすめをいくつかピックアップして紹介していきます。
グレンファークラス105
入門酒としておすすめしたいのが、グレンファークラスのカスクストレングスです。
シェリー樽で8〜10年かけて熟成された比較的に若い原酒が使われています。
濃厚な味わいが特徴、シェリー樽の個性がふんだんに感じられる一本です。コクのあるウイスキーをお探しの方におすすめします。
加水して飲むと、香りと甘みがより増しますのでぜひお試しください。
風味 | 濃厚でシェリー樽の個性がふんだんに感じられる |
アルコール度数 | 60% |
内容量 | 1000ml |
料金 | ¥6,180(税込み) |
アラン シェリーカスク
量より質にこだわったアラン蒸留所のカスクストレングス。
ファーストフィルのシェリーホグスヘッドで熟成し、シェリー樽由来のリッチな香りとフルボディな味わいを引き出しています。
フルーティさもありながら、スパイスのバランスが良く、完熟イチジクやヘーゼルナッツを連想させる味わいが印象的。
ウイスキー愛好家の間でも話題な銘柄なので、飲みなれた方も満足できるでしょう。
風味 | リッチな香り、フルーティさもありながらスパイスのバランスが良い |
アルコール度数 | 55.8% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥10,500(税込み) |
アイリーク カスクストレングス
アイラ島民を意味するアイリークから名付けられた「ザ・ハイランズ&アイランズ・スコッチ・ウィスキー」社のカスクストレングスとなっています。
1999年のインターナショナル・ワイン&スピリッツでは金賞を受賞。
中身はアイラのシングルモルトが使われていますが、正確な蒸留所の名は明かされていません。そのため飲みながら想像を膨らませるなど、違った飲み方が楽しめるでしょう。
味わいはパンチのある刺激とアイラモルトのスモーキーさが特徴で、シナモン、バニラ、モルト、カカオ、潮っぽさが感じられます。
風味 | パンチのある刺激とアイラモルトのスモーキーさが特徴 |
アルコール度数 | 58% |
内容量 | 700ml |
料金 | ¥4,525(税込み) |
まとめ
今回はウイスキーのカスクについてまとめてみました。真のウイスキー愛好家は樽にもこだわるとは、奥が深いですね。
初心者にはハードルが高いかもしれませんが、これからウイスキーのことをもっと知りたいという方はカスクにも注目してみては?
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