前割り焼酎の自宅での手軽な作り方|おすすめの銘柄や注意点を解説!
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最も美味しく焼酎を飲む方法の1つ「前割り」という飲み方があります。
前割りは、劇的焼酎が美味しくなると焼酎好きの間では定番の飲み方のひとつですが、お店で見かけることは非常に少ないです。
しかしそれもそのはず、実は前割りを振舞うことは酒税法に触れる場合が!
今回は、前割り焼酎の作り方やコツ、作るときの注意点などを紹介していきます。
より美味しく焼酎を楽しみたいというかたはぜひ最後までご覧ください。
また、以下記事にて、焼酎に興味がある人におすすめの焼酎や選び方をご紹介しています。
「自分の好みにあった焼酎を探したい」という方はぜひ参考にしてください。
参考記事:焼酎の種類や特徴、おすすめ銘柄を解説!芋・麦、米の違いを知ろう
目次
前割り焼酎で事前に準備するもの【焼酎、水、ペットボトル】
焼酎の前割りは難しい材料は要りません。「焼酎」と「水」、焼酎と水を混ぜ合わせて寝かすための「容器」を準備しましょう。
容器は瓶やペットボトル、焼酎の瓶など、自宅にあるもので代用できますが、本格的な焼酎の前割りをつくりたい場合には陶器やサーバーの利用がおすすめです。
本格的な容器には主に「ガラス製」「陶器製」の2種類があります。焼酎の劣化の原因となる日光を遮り、さらに熟成を促す遠赤外線効果のある陶器製を利用すれば、より美味しい前割りへと仕上がるでしょう。
ちなみに、購入のハードルが高いという場合には、遮光ボトルなどでも代用できます。
前割り焼酎の作り方
前割り焼酎の作り方は、非常に簡単です。事前に消毒した容器に焼酎と水を入れて一晩から1週間程度待つだけです。
ここでは、より美味しくするためのコツや注意点を紹介します。
焼酎と水の割合はロクヨン?
焼酎の前割りは焼酎と水を混ぜ合わせるだけですが、比率が重要です。
一般的には、「焼酎6:水4」「焼酎5:水5」の割合とすることが黄金比と言われています。
ただしあくまで基本であって、絶対にこの割合でなければならないというものではありません。
自分好みの割合が一番ですが、どのように焼酎が変化するのか分からないうちは焼酎:水を6:4の割合で割ることをおすすめします。
ちなみに割合だとアルコール度数が25度の焼酎の場合、だいたい14~15度ぐらいまで落とすことができます。
もし「どこか味が薄い」「もう少し味を和らげたい」と感じた場合は、徐々に水の量や氷で好みの濃さに調整してみてください。
割り水には仕込み水がおすすめ
焼酎を割る水にこだわると前割り焼酎はより美味しくなります。
最もおすすめな水は焼酎の「仕込み水」や「割り水」です。「仕込み水」や「割り水」は焼酎でいうと、モロミを造ったり、アルコール度数が40度近くある原酒を20~25度に調整するときにする水を指します。
そんな仕込み水は、他の水と比べて焼酎との親和性が非常に高いです。そのため、焼酎に馴染みやすくよりまろやかな仕上がりになると言われています。
もし、こだわりたい場合は用意してみても良いかもしれません。
とはいえ、なかなか準備も難しいです。その場合は軟水がおすすめです。日本の水源の多くは軟水なため、ほとんどの酒造は軟水を使用しています。もちろん例外もありますが、軟水に合わせておくと調和しやすいでしょう。
また軟水はミネラル分が少なく癖が少ないので無難です。困ったら軟水がおすすめです。
保管場所は冷蔵庫が無難
前割り焼酎を保管する場合は、常温でも問題ありませんが、焼酎は日光に長時間さらされるとその品質が落ちるため注意が必要です。
また食中毒などの懸念があるため、特に湿気の多い梅雨時や気温の高い夏場には、冷蔵庫での保管も良いでしょう。アルコール度数を下げているので、菌の繁殖が起こりかねません。
使用する保存容器も、事前に殺菌や乾燥を行い、清潔な状態で使用するようにしましょう。
清潔ではない保管容器は菌の繁殖が進み、品質の劣化につながります。特に常温で保存する場合は菌の繁殖が早いため、注意してください。
寝かせる日数は一晩から
寝かせる日数に決まりはありませんが、おおよそ一晩~1週間程度が一般的とされています。
前割り焼酎は水の分子がアルコール分子を包むことで、アルコールの刺激がやわらぎ、香りや旨味をダイレクトに感じやすくするものです。
寝かせるのは一晩からでも違いが出ますが、よりなじませるためには3日~7日間ほど待つとより良いでしょう。
前割り焼酎におすすめな銘柄
前割り焼酎におすすめな銘柄を紹介していきます。
大海酒造「海」
「海」は大海酒造が造る芋焼酎です。黄麹とベニオトメを使用し減圧蒸留にて造られています。
華やかなフルーツの香り、淡麗で爽快な味わいは、芋焼酎に飲み慣れていない方でも飲みやすく焼酎初心者にもおすすめです。
前割りには、海の割り水に使われている「温泉水 寿鶴」がおすすめ。ぜひ合わせて購入したい水です。
霧島酒造「黒霧島」
「黒霧島」は霧島酒造が造る芋焼酎です。日本で最も有名な芋焼酎といっても過言ではないのでしょうか。
トロッとしたコクのある甘みと旨味、キリっと冴えるような後味が特徴で、食事との相性が良くなることを目指して造られています。
前割りにしたときには、より食事に合わせやすくするために氷を入れてロックするのがおすすめです。
濱田酒造「赤兎馬 紫」
「赤兎馬」は濱田酒造がつくる芋焼酎ブランドです。そのなかで「赤兎馬 紫」はひときわフルーティーでふくよかな芋焼酎となっています。
香りが豊かなので、前割りにして飲むときには温めて飲むのがおすすめです。
飲む前から美味しいと思える香りが揺らぎ立つことでしょう。
岩倉酒造「妻」
「妻」は宮崎県にある岩倉酒造が手がける芋焼酎です。岩倉酒造はあらゆる作業を手作業で行い、心のこもった温かみのある焼酎が人気の酒造。
「妻」の他にも「月の中」「くらら」など人気の高い焼酎も多いですが、編集部的には前割りにするなら「妻」がおすすめです。
「妻」はどこか素朴で上品な旨味と甘みがあり、前割りにして温めて飲むと酒造が込めたぬくもりを感じるが如くほっこりします。
宝酒造「一刻者」
「一刻者」は宝酒造が造る全量芋の焼酎です。全量芋の通り、麹も芋麹という芋から造った麹を使用しています。
焼酎は麹に米の麹を使うことが一般的です。米麹を使うのはでんぷんの分解力や香り、フルーティーさに緩急をつけるなどの様々な理由があり、芋麹では難しいとされていました。
しかし、一刻者は長い研究の末、テルペンという物質を引き出すことに成功。その結果甘くスッキリとした芋らしい純粋な芋焼酎が完成したのです。
前割りにするとアルコールの刺激が和らぐので極めてピュアな「芋らしさ」を体験できるでしょう。
前割り焼酎とは?
前割り焼酎とは焼酎を水で割ってから一晩以上寝かせたものです。もともと前割りは焼酎で有名な鹿児島県で客人をもてなす席で振る舞われるものでした。
寝かせる工程があるかないかで焼酎のアルコール的な刺激が劇的に変わってきます。焼酎を一晩寝かせるだけでもその違いは驚くべきものです。普通の水割りと比べてみてもその差が分かるでしょう。
家庭でも作れるため、焼酎造りが盛んな九州地方ではとてもポピュラーな飲み方となっています。現地では特に芋焼酎を前割りで飲むことが多いのだとか。芋焼酎でなくても麦焼酎や米焼酎、そば焼酎などでも前割りすることができます。
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前割り焼酎が飲みやすい理由
前割りにするとなぜ焼酎がマイルドになるのか。理由はアルコール分子が水分子に包まれるからです。
焼酎を水で割った直後は水分子もアルコール分子もバラバラで、飲んだ時にアルコールが直に舌や鼻を刺激します。
一方で前割りの場合、時間をかけて水分子がアルコール分子を包み込むため、飲んだ時にアルコールの刺激をダイレクトに受けることなくマイルドな口当たりになり、焼酎本来の良さを感じやすくなるのです。
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前割り焼酎がより美味しくなる陶器
本格的な前割りの焼酎をつくりたい場合には、容器にもこだわりを持つとよいでしょう。前割りを飲む器にもこだわることで味わいだけでなく、視覚的にも楽しめます。
ここでは、前割り焼酎に便利な陶器、容器を紹介していきます。
焼酎サーバー
焼酎サーバーは、コックを捻ることで焼酎を注ぐことが出来る大きな容器です。主に陶磁器製、ガラス製の2種類が販売されています。
ガラス製は中身が見えるため、一目で減っている量を確認できますが、日光を受けるので長期保存には向きません。
対して陶磁器製は中身を確認しづらいデメリットはあるものの、焼き物によっては焼酎の熟成を促すためより味にこだわりたい方におすすめです。
どちらにも良さがあるので、容量やデザインなどとも合わせて選んでみてください。
ラジウムボトル
ラジウムボトルは、日本六古窯の1つ信楽焼のボトルです。入れた水が美味しくなるという口コミで人気になりました。
主原料に天然鉱石を含み、その作用から水分子が絶えず動くため美味しくなるとのこと。
眉唾感の商品ですが、まろやかになった、カルキ臭さが軽減したなど口コミでは味の変化を実感することが多数あります。
デザイン的にも可愛らしく、価格も2~3,000円ほどなのでギフトとしても喜ばれそうです。
千代香
千代香(ちょか)、黒千代香(くろぢょか)は、主に焼酎を温める時に使われる鹿児島の伝統的な酒器です。
実は前割り焼酎は40℃前後に温めると香りが引き立ちます。もちろん冷やして飲んでも美味しいですが、本場鹿児島では温めるのが一般的なんだとか。
千代香を使うと、遠赤外線効果や経年の旨味の染みこみによる変化でより前割り焼酎を美味しく飲むことが出来ます。
前割り焼酎の注意点
前割り焼酎を造るときは、注意点があります。それはつくった本人と同居家族しか飲めないという点です。
酒税法の「第43条 みなし製造 第11項」にこの旨が明記されており、うっかり自宅に招いた友人や知人などに飲ませてしまうと違法になります。
美味しい出来上がりとなれば、ついつい飲んでもらいたくなりますが、自身や家族で楽しむようにしましょう。
前割り焼酎の賞味期限
焼酎には基本的に賞味期限がありません。従って前割りも賞味期限の目安はないです。
しかし、一度開封している以上空気と触れるため味わいの劣化は免れません。
長くても1か月程度で飲み切るのがおすすめです。
まとめ
今回は前割り焼酎の作り方やコツ、作るときの注意点などをご紹介しました。
前割りは、非常に簡単にいつもより美味しく焼酎を楽しむことができる飲み方の1つです。前割りして刺激をマイルドにすれば、焼酎の世界が広がるかもしれません。
ぜひこの機会に試してみてください。
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