味と香りを決める!?ワイン酵母の重要な役割とは
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良いワイン、高品質なワインを選ぶときには、ブドウの産地や栽培された畑のグレードを判断材料にすることが多いかと思います。
ワインの品質はブドウの質に直結すると言われますが、酵母もまたワインの味や香りを決める重要なファクターとなっています。
今回はあまり注目されることがないワイン酵母に焦点を当て、酵母の種類や役割についても深掘りしていきます!
目次
ワイン酵母とは?
酵母自体は、土の中や植物の表面、空気中など、自然界であればどこにでも存在する微生物のことを意味します。
酵母は糖分を餌にしてアルコールと炭酸ガスを発生させるため、古くからお酒の醸造に使われてきました。
ワイン酵母は主にワインを醸造する用途で使われる微生物のことを指します。ブドウの糖分をアルコールと炭酸ガスに分解することでワインを造ることができます。
ワイン酵母の役割
次にワイン酵母の主な役割についてご紹介します。
アルコール発酵
実はワインは、数あるアルコール飲料の中で最も発酵過程が簡単だと言われています。
日本酒やビールを例として挙げれば、原料のお米や麦をそこら辺に放っておいてもアルコールは出てきませんよね?
しかしブドウの場合、実をつぶした状態で置いておくと自然とワインが出来てしまうのです。(もちろん腐敗することもあります)
他の果物でも同じロジックでアルコールを生成することは可能です。
しかしブドウほど高い糖度を持っていないためか、アルコール飲料にしたとしてもブドウを原料とするワインには品質的にも遠く及ばないそうです。
※アルコールの製造免許無しでお酒を造ることは法律で固く禁じられていますので、故意にジュースを発酵させてはいけません。
ワインに個性を与える
酵母はアルコールを発生させる以外にたくさんの物質を生み出しています。
生産する物質は酵母の種類によってさまざまですが、異なる酵母が異なる物質を生成することによって、香りや味わいも一味違った個性的なワインを造ることができます。
ワインの香りや味わいに違いが出てくるのも、単にブドウの品種や産地が違うからとも言い切れないわけですね。
甘口と辛口をコントロールする
ワインには甘口と辛口がありますよね?実はこれらのテイストは、酵母による発酵をコントロールすることで生み出すことができるのです。
先述しましたが、酵母は糖分を餌にしてアルコールを生成します。
アルコール発酵を途中でストップさせると糖分が多く残った状態となるため甘口のワインが造りやすく、反対に糖分が無くなるまでアルコール発酵を進めると、甘みのない辛口のワインが造られるというロジックです。
従って一般的な甘口のワインは、辛口のワインよりもアルコール度数が低い傾向にあります。
ワイン酵母の種類
ひとくちにワイン酵母と言っても2種類存在します。
培養酵母
ワイン醸造に適した優良酵母を培養して商品化したものが培養酵母です。
ちなみに優良酵母とはフランスの銘醸地で採取されたSaccharomyces cerevisiae(サッカロマイセス・セレビシエ)のことで、日本酒やビール造りにおいても必要不可欠の存在となっています。
培養酵母でワイン醸造を行なうと、狙った味に近づけやすいという商業的なメリットがあります。
また酵母を入れるタイミングなども選ぶことができるので、偶発的ではなく一定の品質が保てるのも大きなポイントですね。
味や品質の均一化を図る世界トップレベルのワインメーカーにも、培養酵母を用いてワイン醸造をしている所があります。
天然酵母
もともとブドウの果実や皮などには野生の酵母が棲みついています。
ワイン酵母の役割のところで、ぶどうジュースを放っておくと勝手にワインになるというお話をしましたね。
これは野生の酵母によって引き起こされる現象で、野生の営みを利用して醸されたワインは「自然派ワイン」として売り出されることもあります。
培養酵母とは違い、ある特定の酵母菌がブドウ畑を独占しているわけではないので、造られる時期によって味や香りが違うことがザラにあります。
産地が変われば酵母も変わる
天然酵母と大きくひとくくりにされますが、実は国、地域、畑が異なるだけで棲みつく酵母の種類も変わります。
これは気候や土壌環境に深く関係していて、その土地に適応した酵母だけが優生的に生き残ることができるためです。
しかし同じ種類の酵母でも、ある地域のものには耐寒性や耐熱性があったり、またある地域のものには特定の病気に対する耐性があったりと、地域によって性質が異なるのも酵母の特徴です。
まとめ
今回はワイン酵母についてまとめました。暑さに強いもの、寒さに強いもの、病気に強いもの…いろいろなワイン酵母があってなんだか人間みたいですね。
ワインの味や香りに多大なる影響を与えるワイン酵母。皆さんも目には見えない小さな世界に注目してワインを楽しんでみては?
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