ワインのシェリー酒とは?味わいや特徴について紹介します

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スペイン産で度数が高めなワインといえば「シェリー酒」です。

ワイン通の間では知られているシェリー酒ですが、日本ではあまり出回ることがないので見たことがないという方もいらっしゃると思います。どんなワインなのか想像できますか?

今回はビギナーさんのためにシェリー酒を徹底解剖!度数が高い理由や原料に使われるぶどう品種、製法、基本のタイプに至るまで、詳しく解説していきます!

シェリー酒とは?

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シェリー酒とはスペインのアンダルシア地方で造られる酒精強化ワインです。酒精強化ワインとは強いお酒を加えてアルコール度数を高めたワインのことを指します。

ポートワインやマデイラワインと並び、世界三大酒精強化ワインに数えられます。

蒸留酒を加えアルコールを強くすることで暖かい地域でも保存できるようにしたシェリー酒は、アルコール度数が15%以上と普通のワインに比べて少し高めとなっています。

シェリー酒の製法

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シェリー酒の製法には他のワインでは見られない特徴がいくつかあります。どのような工程を経て造られているのかまとめてみました。

ソレラシステム

シェリー酒は、ヴィンテージ(収穫年)ごとに新旧分けて貯蔵されています。基本的に最も古い樽「ソレラ」から採取したシェリーがボトリングされ商品として出荷されるのですが、全てのソレラを使わずあえて樽に少し残しておきます。

そして2番目に古い樽のシェリーをソレラに注ぎ足し、残した2番目の樽には3番目に古い樽のシェリー酒を注ぎ足していきます。この注ぎ足していく仕組みをソレラシステムと言います。

このシステムは、シェリー酒の味の均一化に一役買っているのだとか。同じロジックで考えるとウナギ屋さんで見かける「秘伝のタレ」みたいなイメージですかね。

熟成方法

シェリー酒を樽熟成させる際、ワインの表面が膜のようなもので覆われることがあります。

これはシェリー酒特有の「フロール」と呼ばれる産膜酵母で、フロールがあるかないかで熟成方法が異なります。

●生物学熟成
フロールありで熟成させる方法。酵母の膜でカバーされるため、空気に触れて酸化することなく熟成させることができます。
アルコール度数15%程度であれば酵母が活性状態となるので、発酵の段階で作られたフロールを維持することができます。

●酸化熟成
フロールなしで熟成させる方法。フロールを除去したわけではなく、アルコール度数が高い状態で発酵させると酵母が膜を作れなくなります。
常に酸素に触れている状態となるため、酸化が促されます。

シェリー酒に使われるぶどう品種

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シェリー酒の原料として使えるぶどうは3種類のみで、全て白ぶどう品種となっています。熟成までは基本的にブレンドされることはなく、単一品種で仕上げられます。

パロミノ

ほとんどのシェリー酒に使われるメジャーな品種。栽培のしやすさと醸造適性があることから、主要産地であるアンダルシアのヘレスでは、ぶどう栽培総面積のおよそ95%がパロミノ種となっています。

糖度が高いわけでも特徴的な香りや味があるわけでも無く、特筆すべき点がない品種ですが、このニュートラルさがシェリー酒特有の製法と熟成に向いているのだそうです。辛口のシェリー酒を造るときには欠かせない存在です。

ペドロ・ヒメネス

フルーツらしさを持つ白ぶどうで、独特な香りを放つ甘口のシェリー酒を造るのに向いています。

果皮が薄いため水分が出ていきやすく、干しぶどうにして糖度を極限まで高めてから極甘口のシェリーを造ります。

モスカテル

海近くの畑でも元気に育つマスカット系品種で、日本では「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の名前で親しまれています。干ばつにも強く、あまり保水性のない土壌でも立派な実をつけます。

花や桃を思わせる芳醇な香りが特徴で、ペドロ・ヒメネスと同様に甘口のシェリーを造るときによく用いられます。

シェリー酒のタイプ

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戦後には食前酒として定着したシェリー酒。熟成方法でも細分化され、テイストは辛口~甘口に至るまで幅広く存在します。

ピノ・ヘネロソ

辛口のシェリー酒全般を指す用語で、パロミノ種を使い糖分が無くなるまで完全に発酵させて造られます。

生物学熟成で造られた「フィノ」「マンサリーニャ」「アモンティリャード」と、酸化熟成によって造られた「パロ・コルタド」「オロロソ」があります。

ピノ・ドゥルセ・ナトゥラル

極甘口のシェリー酒全般を示すワードで、干しぶどうを原料に造られます。発酵途中に酒精強化した後、酸化熟成によって造られます。

マスカットが原料の「モスカテル」は、ぶどう特有の香りと柑橘のようなフレッシュ感を併せ持っています。また「ペドロ・ヒメネス」は、黒に近い赤褐色を呈し豊かで力強くバランスの取れた味わいに仕上がります。

ピノ・ヘネロソ・デ・リコール

辛口から甘口まで幅広いテイストが存在するオールラウンダーですが、中甘口という位置づけにあるシェリー酒。

生物学熟成で造られる「ミディアム」「ペールクリーム」と、酸化熟成で造られる「クリーム」があります。

まとめ

今回はシェリー酒について深掘りしました。たった3種類のぶどうからでも製法を変えるだけでたくさんのタイプのシェリー酒ができるんですね!食前酒だけというのはもったいない気がしました。

造り手によっても味わいは千差万別なので、ぜひ皆さんもたくさんあるシェリー酒の中からお気に入りの一本を見つけてみてくださいね!

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