海底熟成したワインは何が違う?魅力やその難しさを解説!

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お酒を熟成させて、味わいを変化させる起源は偶然がもたらすことも多いです。

ウイスキーも樽に入れて取り締まりから逃れようしたことが起源だったりします。

そんな偶然は近年も起こりました。海底熟成です。

ワインを積んだ船が沈没して幾年、引き上げられたワインに変化が!

この記事では、そんな未知のロマン「海底熟成」について紹介していきます。

海底熟成ワインとは?

海底熟成ワインとは、文字通り海底で熟成させたワインです。

沈没船からサルベージされたワインの味わいが良くなっていたというニュースから世界中で注目が集まるようになりました。

日本でもワインはもちろん、地酒などでも海底熟成に挑戦する酒蔵がここ数年で増えてきています。

しかし、海底熟成することによって得られる詳しい効果や理由などは未だに解明されていないことがほとんどです。

一般的には一定期間の海底熟成によって、地上での熟成よりも早く熟成が進むと考えられていますが、科学的な証明はまだありません。

海底で熟成すると何が変わるのか? | 海底熟成研究所

海底で熟成することによって起こる変化について、防水加工などの技術を活かして海底熟成ワインを展開する「海底熟成研究所」の方にお話を伺いました。

まずは変化について。ワインの場合、香りはより華やかに、味わいは角がとれてまろやかでコクが出ることが多いようです。

ワインや熟成期間、場所などによっても変わってくると思いますが、一般的には飲みやすくなると考えられています。

このような変化を生む要因については仮説ですが、「水温」「紫外線」「湿度」「振動」の4つの要素が関係していると考えられているのだとか。

その中でも海の「振動」が、海底ならではの要素だと言います。海中では波の揺らぎのような振動が水圧とともにワインにかかるためです。

この振動が、ワインのタンニンや果実味などの分子の均一化を進め、熟成に影響しているのではないかと考えられています。

ちなみに、海底熟成研究所では水深20mで沈めているそうです。これは地上の3倍の圧力がかかっているのと、同等の圧力だと計算されています。

3倍の圧力が具体的にどれくらいの熟成変化を変えるのかはまだまだ研究中とのことですが、たしかに地上にはない要素です。

その他、外観としてフジツボなどが付着することで、オンリーワンのデザインになることも変化の1つといえます。

特別感があるため、記念品として海底熟成を依頼されるケースもよくあるようです。

海底熟成の難しさと魅力 | 海底熟成研究所

味が良くなるのであれば、なんでも海底に沈めてみたいところですが、技術的にもそんなに簡単な話ではありません。

まだまだ研究開発の途中である、海底熟成についての難しさについても伺ったので紹介していきます。

技術的な難しさ

生産ベースで品質を一定にする必要性と瓶の形状の複雑さによく悩まされるそうです。

商品として販売する以上、一定の品質以上に保たれた生産は課題となります。

しかし、研究途中の技術であるため、ワインの出来とも掛け合わせると、納得のいく水準に仕上げることも確実ではありません。

しかも1度熟成するにも数か月時間を要するので、データを集める難しさもあります。

また、ワインの瓶の形状には、防水加工の観点で難しさがあるのだとか。海底熟成研究所では、3種類の防水加工技術を用意しており、それを協力会社で耐圧チャンバーテストを何度も繰り返し行っているのだそうです。

たしかに海水が入ってはまた別の角度で味が変わってしまうので、非常に重要な要素ですね。

ワイン選びの難しさ

海底熟成に適したワイン選びにも難しさがあります。

どのような性質のワインが、どのような熟成で、どう変化するのか、試行錯誤するほかその答えは見つかりません。

しかし、検証するにも数日で終わるような工程ではないので、テストにも時間がかかります。そこにロマンがありますが、難しいポイントの1つであることは間違いありません。

ちなみに、海底熟成研究所で現在販売されているものは、品種毎のチャート表をつくって検証し、飲むときにできるだけピークがあてはまるものを採用しているそうです。

海底熟成の魅力

海底熟成の魅力について、海底熟成研究所は、科学的に解明されていないことが無数にある点だとおっしゃっていました。

事柄を一つずつ改良、開発に成功して、飲み手から「美味しかった」「深みを感じた」などのお褒めの言葉をいただけることが励みになっているそうです。

飲んでわかった違い

熟成前のワインと、海底熟成後のワインを試飲しました。注いだ見た目にはほとんど違いはありませんが、飲んでわかることもあります。違いにフォーカスしてレビューしていきます。

違い①柔らかく飲みやすく

印象的だった変化は、飲みやすさです。丸みが増しているように感じました。

しかし、ポルトガルワインの土着品種に良く感じられるような、独特なタンニンは残っているように思います。

分子が均されて柔らかくなっているとはこういうことなのでしょうか。どうなのでしょうか。

あとは、今回頂いたワインは特に温度帯を上げて飲むとより美味しく感じたので、海底熟成以前に、飲み方にも工夫が必要かもしれません。また飲む機会があるときには注意したいですね。

違い②イタリアの雰囲気?ミネラル感の変化

熟成後のワインには、イタリアワインのような雰囲気のミネラル感が感じられました。

もちろん海水が防水加工を突破して大きく混入しているというわけではありませんが、分子レベルで干渉しているのか、はたまたボトルの雰囲気がそう思わせるのか、海底熟成の不思議なところです。

元々通常の熟成では、感じられなかった要素ではありますが、プラスされても嫌な印象は全くなく、新しさや海らしさを感じることが出来ました。

また、個人的にはもう少し熟成期間が長くても、もっと変化を楽しむことが出来そうだと思います。

ワインごとの性質の違いや好みにもよりますが、いろいろ試してみたくなりますね。

まとめ

今回は、海底熟成について海底熟成研究所さんにお話を伺いながら、レビューを交えて紹介しました。

海底熟成は、まだまだ未知な要素もたくさんあり、ロマン溢れる熟成方法です。

日本は島国で海も多く、日本酒や焼酎など地のお酒もたくさんあるので、いろんなところに広がっていってほしいですね。

今後の研究、開発に注目してみましょう!

最後になりますが、

【海底熟成研究所さんより】
作っている防水加工技術を様々な企業や地方自治体などに利用してもらい、新しい養殖技術の一つになればと思っております。そうして、海底熟成して付加価値をつけたお酒などを海外市場にも展開していきたいです。
ワインだけでなく、アルコール度が高いお酒(ウィスキー、焼酎、リキュール類等)や日本酒なども相性が良いお酒が日本にはたくさんあります。
地産の商品を活かして、共同で研究出来る企業からの問合せもお待ちしております!

海底熟成研究所のHPはこちら

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