南フランスを代表するコート・デュ・ローヌのおすすめワイン10選!歴史や産地の特徴、生産者を紹介
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フランスワインと言えば、ボルドーやブルゴーニュが有名ですよね。しかしフランスワインを語る上で、コート・デュ・ローヌのワインを忘れてはいけません。
ローヌ地方は南フランスを代表する産地で、ボルドーに次ぐ生産量を誇ります。そしてローヌ地方全域を指すアペラシオンとして知られるのが、A.C.コート・デュ・ローヌです。
そこで今回は、南フランスを代表するコート・デュ・ローヌのワインについて深掘りしていきたいと思います。
目次
- 1 コート・デュ・ローヌとは?
- 2 コート・デュ・ローヌのおすすめワイン銘柄
- 2.1 ロジェ サボン シャトー・ヌフ・デュ・パプ スクレ・ド・サボン
- 2.2 E.ギガル コート・デュ・ローヌ・ルージュ
- 2.3 シャプティエ シャトー・ヌフ・デュ・パプ ルージュ ラ・ベルナルディン
- 2.4 シャプティエ サン・ジョセフ ルージュ デシャン
- 2.5 コート・デュ・ローヌ ルージュ ル・プティ・アンデゾン
- 2.6 マリウス ルージュ byミシェル・シャプティエ
- 2.7 シャプティエ コート・デュ・ローヌ ブラン ベルルーシュ
- 2.8 コート・デュ・ローヌ レ・クレ・ド・ランクラーヴ
- 2.9 ラ・シャス コート・デュ・ローヌ
- 2.10 ドメーヌ ド ラ モルドレ ラ ルミーズ ド ラ モルドレ ロゼ
- 3 コート・デュ・ローヌのワインの特徴
- 4 コート・デュ・ローヌで栽培されているブドウ品種
- 5 コート・デュ・ローヌワインの選び方
- 6 まとめ
コート・デュ・ローヌとは?
コート・デュ・ローヌは、ボルドーに次ぐ生産量を誇る、ローヌ地方のAOCです。地中海につながるローヌ河岸に沿ってワイナリーが軒を連ね、南北に200km続く範囲内で、指定の地域であればAOCを使用できます。
※(AOCとは、Appellation d’Origine Contrôlée『アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレの略称』、フランスで定められた原産地保護の規定です。)
またローヌ地方は南北に分かれており、違う特徴を持っています。北部ではシラー種が多く栽培され、力強いワインが主流。南部ではグルナッシュの栽培量が多く、果実味と甘みを兼ね備えた丸みのあるワインが造られます。南北の違いについては、この後の章で詳しく解説をします。
コート・デュ・ローヌのワインは、コストパフォーマンスにも優れています。お手頃価格で高品質なワインが手に入るため、世界中で飲まれるワインになりました。
コート・デュ・ローヌの歴史は14世紀にまで遡ります。
法王庁がアヴィニョンへの移転を行い、近くにあったローヌ渓谷のワインの生産量が一気に上がりました。それまでは無名のワイン生産地でしたが、移転をきっかけに有名産地への仲間入りをしたのです。
その後はワインの品質を高めていき、現在は世界有数の産地として知られるようになりました。
コート・デュ・ローヌのおすすめワイン銘柄
次に、コート・デュ・ローヌのおすすめワイン銘柄を紹介していきます。
今回紹介するワイン銘柄はこちらです。
■ ロジェ サボン シャトー・ヌフ・デュ・パプ スクレ・ド・サボン
■ E.ギガル コート・デュ・ローヌ・ルージュ
■ シャプティエ シャトーヌフ・デュ・パプ ルージュ ラ ベルナルディン
■ シャプティエ サン・ジョセフ ルージュ デシャン
■ コート・デュ・ローヌ ルージュ ル プティ アンデゾン
■ マリウス ルージュ byミシェル・シャプティエ
■ シャプティエ コート・デュ・ローヌ ブラン ベルルーシュ
■ コート・デュ・ローヌ レ・クレ・ド・ランクラーヴ
■ ラ・シャス コート・デュ・ローヌ
■ ドメーヌ・ド・ラ・モルドレ タヴェル・ロゼ
ロジェ サボン シャトー・ヌフ・デュ・パプ スクレ・ド・サボン
ローヌのAOCシャトー・ヌフ・デュ・パプの赤ワインです。世界的な知名度を誇るワイン評論家ロバート・パーカーから95点の高得点を付けられています。
製造するのは、16世紀からぶどう栽培の歴史を持つロジェ・サボンです。伝統的な手法を用いて、公開情報が少ない超プレスティージから収穫した樹齢80年を超すぶどうを使用しています。その生産本数はわずか1300本のみ。
ぶどうの凝縮感と上品さを兼ね備えており、ほかの生産者と一線を画す味わいを堪能できます。値段は高めですが、贈り物や特別な日におすすめです。
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E.ギガル コート・デュ・ローヌ・ルージュ
北ローヌ最大の生産者ギガルが生み出す「ローヌワインの帝王」と呼ばれる銘柄です。ワイン専門誌「デキャンター」にて「マン・オブ・ザ・イヤー2006」を獲得した経験もあり、高品質なワインを造りをしています。
コート・デュ・ローヌ・ルージュは、シラー主体で仕上げられ、濃厚な果実味と胡椒のようなスパイシーな香りが特徴。洋食だけでなく和食にも合わせやすく、デイリーワインとしても人気です。
価格も2000円前後とリーズナブルなので、ローヌワイン初心者におすすめします。
シャプティエ シャトー・ヌフ・デュ・パプ ルージュ ラ・ベルナルディン
パーカーポイント100点満点を多数獲得する「ミシェル・シャプティエ」が手掛ける赤ワインです。環境に配慮したビオディナミ農法をいち早く取り入れ、テロワールの個性を生かしたワイン造りが行われています。
こちらの銘柄はグルナッシュ種を主体に、シラーやムールヴェードルをブレンド。香ばしい珈琲やシナモンの複雑で繊細な香りに加え、スパイスのニュアンスも効いていて、程よいミネラル感が味わえます。
お値段は5,000円ほどしますが、贅沢した日に時間かけてゆっくり飲みたい方にピッタリな赤ワインです。
料理は、ビーフシチューやチョコレートケーキと合わせてみてください。
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シャプティエ サン・ジョセフ ルージュ デシャン
こちらは、先ほど紹介したミシェル・シャプティエの赤ワインです。
片麻岩と花崗岩片岩を持つAOCサン・ジョセフ地区のシラー品種100%を使用し、スパイシーで長い余韻が楽しめる味わいに仕上げられています。
口に含むと、完熟した果実とパワフルな力強い味わいが印象的。価格は3,000円~4,000円前後で購入できます。
エスニック料理や癖のある食材とも合わせやすく、ガツンと飲みたい日におすすめです。
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コート・デュ・ローヌ ルージュ ル・プティ・アンデゾン
1965年に設立された南フランス「エステザルグ葡萄栽培組合」による安くて美味しい赤ワインです。組合員である10つの生産者による、ぶどうの個性を重視した醸造にこだわっています。
こちらは、シラーとグルナッシュの2つの品種を使用。マロラクティック発酵の後、約6ヶ月熟成させてから出荷しています。
この価格とは思えないほど、しっかりとした果実味と、バランスの良い飲み口が特徴です。良い物を安い価格で飲みたいコスパ重視の方におすすめします。
料理はチーズ、パスタ、煮物と相性抜群です。
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マリウス ルージュ byミシェル・シャプティエ
こちらも、ミシェル・シャプティエが手掛けるお手頃な赤ワインです。
ローヌを代表するぶどう品種グルナッシュとシラーをブレンドしたもので、程よい凝縮感のある赤い果実味とシルクの滑らかなタンニンが楽しめる味わいに仕上げられています。
渋みが控えめなので、女性の方も飲みやすいです。温度は高めの16~18℃でお楽しみください。
料理は濃厚な物と相性がマッチしやすいので、角煮や煮物などがおすすめです。
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シャプティエ コート・デュ・ローヌ ブラン ベルルーシュ
ミシェル・シャプティエが手掛けるローヌの定番白ワインです。華やかな香りを維持するために出来る限り酸素に触れないよう管理されています。
グラスに注ぐと、透き通る黄金色が綺麗です。複数のぶどうをブレンドし、アプリコットを連想させる華やかなアロマが感じられます。
複雑さもエレガントさもあり、非常に飲みやすいフレッシュな味わいです。
ペアリングは、塩で味付けされた料理が良く合います。魚の塩焼、アヒージョ、和食の天ぷらとも相性が最高です。
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コート・デュ・ローヌ レ・クレ・ド・ランクラーヴ
1974年創業した比較的に若いワインユニオンです。飲みやすいテーブルワインから高級ワインまで手掛けています。
使用するぶどうは、グルナッシュ、マルサンヌ、クレレット、ヴィオニエなどローヌの馴染深い品種。
2~6ヶ月以上かけて澱引きし、グビグビ飲める軽やかな味わいが特徴。グラスに注ぐと、立ち上げるフローラルな香りとに加え、リッチな余韻が楽しめます。
ペアリングは、淡泊な食材を使った料理と好相性。チキンの香草焼きや、串焼き、和風パスタなどとマリアージュします。
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ラ・シャス コート・デュ・ローヌ
ローヌに拠点を置くガブリエル・メッフル社の白ワインです。
たっぷり日光を浴びて育ったグルナーシュ・ブラン品種を主体に、農薬や除草剤を使わない有機農法でワイン造りを行っています。
軽快ですが、しっかりとコクも感じられるフルーティな飲み口が特徴。グラスに注ぐと白い花の香りと、ぶどうの複雑なアロマが漂います。
ペアリングは、濃厚な料理と酸味のある料理と相性抜群。合わせるなら、お寿司や酢豚、ポテトサラダが良く合います。
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ドメーヌ ド ラ モルドレ ラ ルミーズ ド ラ モルドレ ロゼ
ローヌ南部のタヴェルで今もっとも注目を集める生産者モルドレのロゼワイン。オーナーの父親と娘が中心となる家族経営のワイナリーです。
黒ぶどう品種グルナッシュやシラーのほかに、メルローをバランスよくブランドして造られています。
赤い果実のみずみずしい香りとフレッシュな味わいが特徴で、すっきりとした飲み口が好きな方におすすめです。
また辛口テイストなので、あらゆる料理と合いますよ。
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ローストビーフ | オニオングラタンスープ | サーモンのカルパッチ |
コート・デュ・ローヌのワインの特徴
コート・デュ・ローヌのワインは、南北で異なる特徴を持っています。そこでそれぞれの特徴をまとめてみました。
北ローヌの特徴
北ローヌはセプタントリオナルとも呼ばれ、穏やかで暖かい大陸性気候です。地中海の影響を受けにくく、花崗岩や片岩の土壌はブドウ作りに適しています。ブドウ畑は急斜面の段々畑に作られており、「コート・ロティ」や「エルミタージュ」などの高級ワインを生み出す産地も多数あります。
主に栽培されている品種はシラーで、中でもエルミタージュのシラーは、世界最高峰と言われるほど高品質です。力強い印象があるシラーですが、熟成をすると滑らかさが増し、繊細な味わいへと変わります。
また白ブドウ品種は、ヴィオニエやルーサンヌ、マルサンヌなどを栽培。ルーサンヌとマルサンヌは、赤ワインにブレンドする補助的な品種として使用され、濃厚な甘みとフルーティーな香りをプラスしてくれます。
南ローヌの特徴
南ローヌはメリディオナルとも呼ばれ、地中海性気候の影響を受けやすい地域です。夏場の雨が少なく日差しが強い地域ですが、ローヌ渓谷から抜けてくる冷たい風により、ブドウ栽培に適した土地になりました。南ローヌは良質なブドウが栽培されることから、ローヌ地方のワイン生産量の大半を占めています。
また石灰岩の土壌や粘土が多い畑、小石が多い土壌など、異なる性質を持つ畑が入り乱れていることでも有名です。そのため、多種多様なブドウ品種を栽培。メインはグルナッシュで、品質の高いロゼワインを生み出しています。
そして南ローヌを代表する産地と言えば、シャトーヌフ・デュ・パプです。13種類のブドウが栽培し、そのほとんどがグルナッシュ。品質の高い赤ワインと白ワインは世界から認められています。
このようにローヌ地方は北と南で大きく異なります。これからコート・デュ・ローヌのワインを飲む人は、地域にも注目をして楽しんでてみてください。
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コート・デュ・ローヌで栽培されているブドウ品種
それではコート・デュ・ローヌで栽培されているブドウ品種の特徴を解説していきます。
シラー(赤)
シラーはコート・デュ・ローヌを代表する品種で、スパイシーで力強い風味が特徴です。コート・デュ・ローヌで栽培されるシラーは、少し嗅いだだけでピリッと胡椒の匂いがするほどスパイシー。
シラー100%で造られる赤ワインもあり、黒胡椒を使ったスパイシーな料理との相性は抜群です。現地では「ナヴァラン・ダ・ニョー」と呼ばれる、子羊のローストと一緒に食べられています。
シラーに近いまたは風味が似ている品種は、カベルネ・ソーヴィニヨンです。
グルナッシュ(赤)
グルナッシュは、スペイン原産の赤ワイン用ブドウ品種で、コート・デュ・ローヌでも栽培が盛んに行われています。フレッシュな果実味とジューシーさがあり、ワイン初心者でも美味しく飲める品種です。
糖度が高くアルコール度数が上がりやすいため、さまざまな品種とブレンドされることが多いです。特にシラーとの相性が抜群なので、ローヌ地方ではシラーとグルナッシュの栽培量が増えたと言われています。
また、グルナッシュの味わいに近い品種はメルローです。グルナッシュ好きな方はメルローもチェックしてみてください。
グルナッシュ・ブラン(白)
グルナッシュ・ブランは、グルナッシュの仲間の白ブドウ品種です。アルコール度数が高く、柑橘系やハーブの香り、弱い酸味が特徴。コート・デュ・ローヌでは重要な品種として扱われ、白ワインや赤ワインにブレンドされています。
グルナッシュ・ブランの風味と真逆になるのが、リースリングです。
ヴィオニエ(白)
ヴィオニエは、北ローヌを中心に栽培されている白ワイン用ぶどう品種です。しっかりとした果実味とフルーティーな香りがあり、後味はキリッと辛口。デリケートな品種で、芳醇な香りが樽発酵で失われることが多く、ヴィオニエでワインを造るには、高度な技術が必要と言われています。
そしてヴィオニエの味わいに近い品種は、シャルドネ品種です。
コート・デュ・ローヌワインの選び方
ひと口にコート・デュ・ローヌと言っても、生産者や畑、栽培するぶどうによってワインは様々です。
どんなワインを選べばいいのか分からない方のために、今回は、生産者・畑・ぶどうの3つに注目した選び方を解説します。初心者の方は参考にしてみてください。
生産者で選ぶ
ワインの生産者に目を向けると、どんなワインが造られているかが分かります。
しかしコート・デュ・ローヌだけで、大勢な生産者がいます。大手から小規模、重鎮から若手まで、伝統な手法でワイン造りを行う生産者もいれば、先進的な技術を用いてワイン造りを行う生産者もいるのです。
そこで、規模感を目安にするといいかもしれません。
例えば大手生産者は、安定した品質のワインを提供できるのでコスパ重視な方におすすめ。一方で小規模な生産者は、個性なワインが多いので飲み比べたい方におすすめです。
また重鎮が手掛けるワインは有名な物が多いので、そちらもぜひチェックしてみてください。ちなみに知名度の高い生産者は、ギガルやファミーユ・ペラン、ミシェル・シャプティエなどがありますよ。
畑で選ぶ
価格帯で選びたい方は畑に注目しましょう。
前述した通り、ローヌ川の沿岸には有名なAOCが立ち並びますが、南部と北部では畑の特徴が違います。
南部では広大な畑が特徴で、リーズナブルなワインが多いです。畑は、シャトー・ヌフ・デュ・パプ、ヴァンソーブル、ラスト―、タヴェルなどです。
一方で、北部は少量生産で高級ワインが多いです。そして、北部の畑はコート・ロティやエルミタージュ、サン・ジョゼフが有名です。
ぶどうで選ぶ
ワインの味わいを重視したい方は、ぶどう品種で選びましょう。
コート・デュ・ローヌでは、黒ぶどうはシラーとグルナッシュが栽培されています。そして白ぶどうは、グルナッシュ・ブラン、ヴィオニエが栽培されています。
濃厚な果実味を楽しみたい方は黒ぶどう品種。すっきり飲みたい方は、白ぶどう品種といったように好みに合わせて選んでみてください。
また品種についても特徴が異なるので、コート・デュ・ローヌで栽培されているブドウ品種でご紹介した情報を目安に選ぶといいでしょう。
まとめ
今回は南フランスを代表するコート・デュ・ローヌについて解説をしてきました。フランスワインは、ボルドーやブルゴーニュだけではないことが分かりましたね。
これからフランスワインを飲むという人は、コート・デュ・ローヌのワインにも注目をしてみてくださいね。
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